白子港

白子港の概要

白子港（しろここう）は三重県鈴鹿市にある地方港湾で、地域の漁業と歴史に深い関わりを持っています。この港は、金沢川の堆積物と伊勢湾の沿岸流によって形成された砂嘴の影響を受けているため、自然に恵まれた良港として古くから利用されてきました。現在の港は、太平洋戦争中に整備された大日本帝国海軍の軍港が基盤となっています。

白子港には、鈴鹿市が管理する白子漁港（しろこぎょこう）も隣接しています。1951年以降は二つの港が法律上別々に管理されるようになりましたが、実際には同一の港として機能しており、2007年の統計によると、白子港で取り扱われる貨物は全て水産物でした。港湾区域はおおよそ200haで、主にイカナゴやイワシ漁が盛んです。

港湾区域

白子港は、江島地区と前浜地区の2つの区域で構成されています。江島地区は鈴鹿市の江島町や東江島町にまたがり、北部に位置しています。一方、前浜地区は白子一丁目と白子町にあり、港湾の南部を担当しています。

歴史

白子港の歴史は古く、平安時代には伊勢平氏の水軍が根拠地として利用していました。「白児党」と呼ばれる水軍は、白い布を身にまとい戦ったとされ、その名が町の名称に影響を与えた可能性があります。室町時代にはすでに繁栄を誇り、1595年には入港税を徴収していたと記録されています。江戸時代には紀州藩の代官所や商業機関が設立されるなど、経済的な中心地となりました。

しかし、安政の大地震によって港は衰退し、その後は四日市港に商業の中心を奪われました。1904年には新たな防波堤が築かれ、その後、二時大戦中は軍港として機能しました。

漁業基地としての発展

第二次世界大戦後、白子港は再び漁港としての役割を取り戻しました。1951年には漁港に指定され、1953年には地方港湾として認定されました。さらには1980年代から新港の整備が進められ、地域の漁業基地としての地位を確立しました。これにより、伊勢湾北部の拠点漁港として活躍しています。

観光地とアクティビティ

白子港周辺は観光スポットも充実しています。1991年には白子新港緑地公園が開園され、大黒屋光太夫を記念する場所となっています。また、2009年には直売所も設置されており、観光客は新鮮な海産物を購入することができます。さらに、近隣には千代崎海水浴場や鼓ヶ浦海水浴場があり、自然を楽しむことができます。

釣りも盛んで、家族で安心して楽しめる釣り場が整備されています。2005年には清掃活動も行われており、地域の環境保護にも貢献しています。白子港は、そのまま観光やレクリエーションを楽しむスポットとして利用されており、多様な魅力を持っています。

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