白山下駅

白山下駅の歴史と現状

白山下駅（はくさんしたえき）は、かつて石川県石川郡鳥越村の河原山に位置した北陸鉄道金名線の終着駅です。この駅は1926年に開業し、1987年に金名線が廃止されるまでの65年間にわたり、地域の交通の重要な拠点として機能していました。

開業と歴史

白山下駅は、大正15年の1926年2月1日に金名鉄道の加賀広瀬駅（後の広瀬駅）から当駅までの区間が開通した際に開業しました。駅は閉塞取扱駅として設置され、駅長が常駐していました。その後、貨物運輸の増加に対応するため、1937年には構内配線や駅舎が改修されるなど、サービスの向上が図られました。

1943年に北陸鉄道が設立されたことを受け、白山下駅は金名線の駅の一つとなります。1970年には、釜清水駅からの区間でスタフ閉塞式に変更され、駅の運営体制が一部見直されました。この頃から、昼間は列車の運行が休止され、しばらくして無人駅となりました。

駅の運命を大きく揺るがしたのは、1983年と1984年の豪雨による影響でした。特に1983年の大日川橋梁の橋脚周囲の崩壊は、白山下駅を含む区間の運行に大きな影響を及ぼしました。その後1984年に営業再開となりますが、さらなる橋梁の危険状態により、同年12月には再び全線が休止され、最終的に1987年4月29日に金名線全線が廃止されることになりました。

駅の構造と役割

白山下駅は、駅舎に面した単式ホーム1面1線を持ち、加えて機回しができる側線を1本備えていました。1984年までの間、白山麓へのバスとの接続点として利用され、登山シーズンには多くの登山客で賑わっていました。しかし、金名線の廃止後は利用者も減少し、駅の機能は衰退の一途を辿ることになります。行き来するバス路線も徐々に消えていきました。

現在の状況

金名線の廃止後、駅舎やホームは残されましたが、長い間無人状態でした。路線の跡地は自転車道藩石川県道302号手取川自転車道線（手取キャニオンロード）として整備され、訪れる人々によって活用されています。また、2008年には旧駅舎の取り壊しが行われ、2009年には新しく「サイクルステーション白山下」という無料の休憩所が設置されました。

2021年には地元住民の女性によって「かあちゃんの駅カフェ」が開業し、日曜日限定で営業しています。カフェは降雪期や田植えの時期に休業するものの、地域の人々や観光客に愛される場所となっています。白山下駅は今や、過去の栄光を思い出させながらも新たなコミュニティの場へと変わっているのです。

このように、白山下駅はその歴史を経て物語が続いています。かつての役割から新たな価値を創出し、地域の人々に寄り添う存在としての地位を確保しています。

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