白島停留場

白島停留場：広島の街と共に歩む路面電車の終着点

広島電鉄白島線の終点、白島停留場は広島市中区東白島町に位置する路面電車の停留場です。駅番号はW5で、白島線の歴史と深く関わってきた重要な拠点となっています。

白島停留場の歴史：激動の時代を乗り越えて

白島停留場は、1912年（大正元年）白島線の開通と同時に誕生しました。当初は広島城の外堀を埋め立てて造られた道路上に設置され、中国郵政局前を起点としていました。しかし、1945年（昭和20年）の原爆投下により甚大な被害を受け、白島線を含む広島電鉄の市内電車は全線で運行不能に陥りました。

被爆からの復興は長く、白島線が運転を再開したのは1952年（昭和27年）のことです。7年もの歳月を要した理由は、戦後の都市計画による新たな幹線道路（白島通り）の建設にありました。白島線の軌道はこの新しい道路上に移設されることとなり、停留場も移転を余儀なくされました。この移設によって、停留場は城北通りまで約100メートル延伸され、「白島終点停留場」と改称されました。その後、1960年（昭和35年）に現在の「白島停留場」に戻されています。

1969年（昭和44年）には、広島電鉄で初めて白島線でワンマン運転が開始されました。これに伴い、交差点内に伸びていた線路が9メートル短縮され、停留場内の配線も変更。ホームの位置も現在の西側（電車から見て左側）へと移設されています。これは、ワンマン運転時の乗降を効率化するために行われた措置です。

停留場の構造：簡素ながらも歴史を感じさせる空間

白島停留場は、道路上にホームが設置された併用軌道です。白島線の軌道は起点から複線ですが、停留場の手前で下り線が上り線と合流し、単線となって停留場へと入ります。ホームは低床式で、線路の西側に1面1線の単式ホームがあり、2両以上の電車が停車することはできません。線路は白島交差点の横断歩道の手前で終端しています。

ホームの位置は、かつては線路の東側にありましたが、前述のワンマン運転開始に伴い、西側に変更されています。これはワンマン運転で電車の左側からのみ降車できる仕様に対応するためでした。

運行系統と周辺環境：生活の拠点として

白島停留場には、広島電鉄9号線のみが乗り入れています。かつては八丁堀までの運行でしたが、2013年には本線への直通運転が開始され、江波停留場まで運行区間が延長されました。

停留場周辺は、南側にオフィスビルも点在するものの、住宅街が広がっています。東側には京橋川が流れ、対岸は東区と南区の境界となっています。最寄りのアストラムラインの駅は白島駅ですが、停留場からは城北駅や新白島駅の方が近いです。

周辺には、日本郵政グループ広島ビルを始め、郵便局、銀行、病院、通信局など、様々な施設が集まっています。また、白島通り沿いには「白島町」バス停があり、広電バスも利用可能です。

白島停留場の未来：広島の街と共に発展を続ける

白島停留場は、100年以上の歴史を持つ路面電車の終点として、広島の街の歴史と発展を間近で見てきました。これからも、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として、その役割を果たしていくことでしょう。これからも、多くの人の思い出と未来を乗せて、白島停留場は走り続けることでしょう。

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