白滝村 (北海道)

白滝村：北海道の自然と歴史が織りなす村

北海道北見地方の中西部に位置していた白滝村は、2005年10月1日、生田原町、遠軽町、丸瀬布町と合併し、遠軽町の一部となりました。村名は、村内を流れる白滝に由来しています。周囲を山々に囲まれた白滝村は、湧別川が東西に流れ、国道333号と石北本線が村の中心を走っていました。東西方向に細長く、西部は上川支庁と接する地理的特徴を持っていました。

豊かな自然: 白滝村は、手つかずの自然が残る地域として知られていました。標高1,771mの平山や1,446mのチトカニウシ山など、雄大な山々が村を取り囲み、湧別川が村の中心を流れ、白滝をはじめとする美しい滝が点在していました。これらの自然環境は、酪農や畑作といった村の基幹産業を支える重要な要素でした。

歴史と文化: 1912年（大正元年）、紀州団体54戸が入植したことをきっかけに白滝村の歴史が始まりました。合気道の開祖である植芝盛平先生も、この紀州団体の一員として入植しており、上白滝地区には先生の自宅跡地に記念碑が建立されています。1946年（昭和21年）8月1日には、紋別郡遠軽町から丸瀬布村とともに分村し、独立した白滝村が誕生しました。

白滝村には、歴史的な遺跡も数多く存在します。村の北北西6.5キロメートルに位置する赤石山山頂部から湧別川流域にかけて広がる白滝遺跡群は、特に注目に値します。標高800メートル以上の切り出し基地、標高600メートル付近の中継地、標高400メートル付近の集落という3つのエリアから構成され、高度な分業システムによる石材の採掘、搬出、製作が行われていたと考えられています。これらの石材は、道内各地に運ばれ、広く利用されていたようです。白滝温泉も、村の観光資源として知られていました。

交通と経済: 白滝村へのアクセスは、石北本線（上白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅。2016年3月廃止）と、旭川紋別自動車道（白滝IC、奥白滝IC）、国道333号が主要な手段でした。北海道北見バス、道北バス、北海道中央バス（高速えんがる号）なども運行していました。経済は、酪農と畑作が中心でしたが、観光業も重要な役割を果たしていました。

教育と行政: 村内には白滝中学校と白滝小学校が設置されていました。姉妹都市・提携都市として、茨城県岩間町（現・笠間市）と和歌山県田辺市と友好関係を結んでいました。

白滝村の消滅: 2005年（平成17年）10月1日、白滝村は、遠軽町、生田原町、丸瀬布町と合併し、遠軽町となりました。長い歴史と豊かな自然、そして合気道とのゆかりを持つ白滝村は、新たな歴史の一ページを閉じ、遠軽町の一部として新たな発展を迎えました。しかし、その歴史と自然は、人々の記憶の中にしっかりと刻み込まれています。

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