白石峠 (神奈川県・山梨県)

白石峠について

白石峠（しらいしとうげ）は、神奈川県と山梨県の境にある標高1,307メートルの峠で、丹沢山地の西部に位置しています。この峠は、大室山から三国山へと続く甲相国境尾根の一部であり、登山道を利用する登山者にとって重要な地点となっています。特に、峠の東側は丹沢大山国定公園に指定されており、西側は横浜市水道局によって水源涵養林が管理されています。

地理的特徴

国土地理院や昭文社の地形図において、白石峠は1,307メートルのピークを指すとされていますが、実際の登山道の分岐点はこのピークの北側に位置する約1,290メートルの鞍部にあります。この鞍部には「白石峠」と書かれた標識が設置されており、ここを通る登山者の目印となっています。

峠の歴史

現在の白石峠は登山者や林業関係者が訪れる静かな場所ですが、かつては上峠やお茶煮のコシッパとも称され、相模と甲斐を結ぶ重要な交易路として利用されていました。この峠は、神奈川県側が白石沢沿いに整備された登山道を利用してアクセスが可能です。また、東海自然歩道の一部として機能しています。

一方、山梨県側の峠道は現在は廃道となっていますが、加入道山の近くから道志へ向かう登山道が存在します。ただし、その道は訪れる人が少ないため、歩きづらい箇所もあります。

名の由来

峠の名称の由来は、周辺に見られる白い石にあります。この地域はトーナル岩や石英閃緑岩、斑れい岩といった深成岩類で知られていますが、白石峠周辺では大理石やホルンフェルスといった変成岩が多く見られます。特に、白石沢の上流部には、流れ落ちる大理石の白石の滝があり、登山道からその景観を楽しむことができます。

周辺の山と山小屋

加入道山の近くには加入道避難小屋があり、非常時を除いて計画的に宿泊することは推奨されていません。丹沢山地西部には無人小屋が多く、特に檜洞丸の青ヶ岳山荘を除いて、他の山小屋は自分で管理する必要があります。

大理石とその保護

この地域の大理石とホルンフェルスは、神奈川県の天然記念物に指定されています。そのため、採取は禁止されており、大自然を守るための取り組みが行われています。白石峠周辺の美しい自然を楽しみながら、環境保護の重要性を感じることができる場所となっています。

上述のように、白石峠はただの通過点ではなく、歴史や自然の魅力が詰まった特別な場所です。訪れる人々にとって、静かでも神秘的な雰囲気を持つこの峠は、登山だけでなく、マインドフルネスや自然観察の場としても最適です。

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