白神岬灯台

白神岬灯台

白神岬灯台（しらかみみさきとうだい）は、北海道南西部、松前郡松前町の白神岬に位置しています。津軽海峡に面したこの岬は、北海道の最南端にあたり、灯台はその地理的な極点を象徴する重要な航路標識としての役割を担っています。

この灯台の最も特筆すべき点は、その有する航路標識番号です。全国に設置された数千もの航路標識の中で、白神岬灯台には栄えある第一番、「0001番」が付与されています。これは、灯台が設置された順序や重要度を示すものであり、日本の航路標識の歴史において特別な位置を占めていることを物語っています。なお、対比として、最終の番号である「7300番」は、遠く離れた魚釣島灯台に与えられています。

歴史

白神岬灯台の歴史は明治時代に遡ります。最初の明かりが灯されたのは1888年（明治21年）9月15日です。以来、津軽海峡を往来する船舶の安全な航行を見守り続けてきました。当初の構造については詳細な記録は少ないものの、時代の変化と技術の進歩に伴い、改築が行われています。現在のコンクリート造の構造体となったのは、1951年（昭和26年）6月1日のことです。強固な構造へと生まれ変わった灯台は、厳しい自然環境下でもその機能を維持し、多くの船にとって信頼できる道標であり続けています。

周辺環境

白神岬灯台は、白神岬の突端に位置しており、その傍らには海上保安庁の松前警備所白神支所が置かれ、海上の安全確保に努めています。周辺には、松前中継局などのインフラ施設も見られます。

また、津軽海峡を挟んで対岸には、青森県の龍飛埼（たっぴざき）があり、龍飛埼灯台の明かりと向き合っています。かつては青函トンネルの建設において重要な役割を果たした吉岡海底駅（現在は定点化）も津軽海峡の海底に位置しており、この海域が日本の交通・物流の要衝であったことを偲ばせます。

白神岬一帯は、松前矢越道立自然公園の一部にも指定されており、変化に富んだ海岸線や豊かな自然を楽しむことができます。灯台を訪れる人々は、海の風景と共に、この地域の歴史や自然の魅力を感じることができるでしょう。

アクセス

白神岬灯台へのアクセスは、公共交通機関と自家用車のいずれでも可能です。

公共交通機関: JR北海道新幹線または道南いさりび鉄道の木古内駅から、函館バスの松前方面行きに乗車します。約1時間10分ほどの乗車で、「灯台下」バス停留所に到着します。
自家用車: JR北海道新幹線が停車する新函館北斗駅からは、車で約1時間半程度でアクセスできます。

北海道の「端」を示す灯台たち

北海道には、白神岬灯台のように地理的な極点を示す重要な灯台がいくつかあります。最南端の白神岬灯台に対し、北海道の他の「端」を示す灯台としては、以下の灯台が挙げられます。

納沙布岬灯台: 北海道の最東端
松前大島灯台: 北海道の最西端
* 宗谷岬灯台: 北海道の最北端

これらの灯台は、それぞれが日本の領土の広がりを示すシンボルであり、厳しい自然の中で航海の安全を守るという共通の使命を担っています。白神岬灯台は、この「四極」を構成する重要な一つとして、今も静かに津軽海峡を見守り続けています。

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