道南いさりび鉄道

道南いさりび鉄道株式会社について

道南いさりび鉄道株式会社（South Hokkaido Railway Company）は、北海道の函館市に本社を構える第三セクター企業であり、主に地域の鉄道サービスを担っています。この鉄道会社は、江差線の五稜郭駅から木古内駅までの区間を運営しており、2016年3月26日の北海道新幹線の開業に伴い、JR北海道から経営が移管されました。

設立の背景と経緯

2014年8月1日に設立された道南いさりび鉄道は、元々「北海道道南地域並行在来線準備株式会社」としてスタートしました。当初は2014年5月に設立予定でしたが、JR北海道の安全問題が影響し、計画が遅れました。社名については、同年10月から11月にかけて一般公募が行われ、6,207件の応募の中から選ばれた「いさりび」が採用されました。「いさりび」は、地域の独特の漁法に由来しており、地元の文化や風景を反映した名称です。

会社設立からわずか一年後の2015年には、会社ロゴも発表されました。ロゴは、津軽海峡と函館の雄大な景色をモチーフにしており、青い海と「いさりび」を象徴的に表現しています。このように、道南いさりび鉄道は地域との強い結びつきを持ちながら運営されています。

事業運営

道南いさりび鉄道は、営業キロ37.8kmの江差線を運営しています。開業時には、すべての駅が無人駅になり、地域の交通サービスを提供する上での一助となています。また、JR北海道から譲渡されたキハ40形気動車を使用しており、観光列車「ながまれ海峡号」も運行しています。この観光列車は、沿線の美しい風景と食文化を楽しむための特別な体験を提供しています。

車両と設備

道南いさりび鉄道は、JR北海道から譲渡された気動車を改造して、地域の観光列車に活用しています。これらの車両は、地域をテーマにした独自のカラーリングが施され、訪れる人々に感動を与えています。特に「ながまれ号」は、地域の特徴を生かした内装に改装され、地元の料理を楽しむイベントなども企画されています。このように、道南いさりび鉄道は単なる移動手段を超えた、文化や体験を提供する存在としての役割も果たしています。

運賃とサービス

運賃については、大人の旅客運賃が基本となり、子供は半額です。2019年からは運賃の改定が行われ、より多くの人々に利用しやすい形になりました。定期券や特別な乗車券も提供され、観光客や地元住民に密接に寄り添う交通サービスを展開しています。

地域貢献と展望

道南いさりび鉄道は、地域の活性化に寄与することを使命としており、観光の振興を通じて地域経済の発展を支援しています。函館市や北斗市、木古内町などの地元自治体と連携しながら、鉄道の利用促進に努めています。今後も、地域とのつながりを大切にしつつ、新たなサービスや体験を提供することで、地域に貢献し続けます。

もう一度検索