白糸の滝 (長野県)

白糸の滝

長野県北佐久郡軽井沢町に位置する白糸の滝は、その名の通り、幾筋もの白い糸のように水が流れ落ちる美しい滝です。軽井沢と北軽井沢を結ぶ白糸ハイランドウェイ沿いにあり、標高1260mの場所に位置しています。落差は3mと小さいながらも、幅は70mにも及び、その規模は訪れる人々を圧倒します。

特徴

白糸の滝は、湯川の源流であり、浅間山に降った雨が約6年の歳月をかけて地中を流れ出た伏流水を水源とする潜流瀑です。そのため、雨天時でも水が濁ることがなく、常に清らかな水が流れ続けています。この滝の特徴は、岩肌から水が染み出すように流れ落ちる点にあり、その様子はまるで白いベールのようです。周囲の木立との調和も美しく、軽井沢を代表する観光名所の一つとして知られています。

四季折々の美しさ

春は新緑、夏は陽光、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。特に夏には、滝の周辺が涼やかな空気に包まれ、訪れる人々を爽快な気分にさせてくれます。また、期間限定で、夏の夜には滝をスクリーンとしたプロジェクションマッピング、冬の夜には滝と雪景色の調和を映し出すライトアップが開催され、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

地形と地質

白糸の滝は、約2.4万年前に黒斑山の山体が崩壊した際にできた岩屑なだれ堆積物と、1783年の浅間山の大噴火で降り積もった軽石層の境目から伏流水が湧き出したことで形成されました。滝の平面形は半円形で、前面には滝壺状の池があります。これは、2つの谷底に湧いていた湧水を、尾根を切り開いて繋ぎ、堰堤で池を作ったことによって形成された人工的な地形です。堰堤の下流にも水が導水され、段瀑が作られています。滝の形成は天明の噴火がきっかけであり、現在の形になったのは昭和初期と推測されています。

地質的には、浅間山の地下水が、地下構造によって離れた場所から湧き出していることが特徴的です。また、小浅間山火山の噴出物である白糸軽石層の模式地としても知られています。この地域の地層は、黒斑山崩壊時の岩屑なだれ堆積物の上に、浅間山の地下水が帯水層となっている白糸軽石層を通って湧き出しています。滝の湧出地点では、白色粘土層の上面から水が湧いており、その上にある粗粒の軽石層が帯水層となっています。

交通アクセス

北陸新幹線軽井沢駅から草軽交通バス「北軽井沢」方面行きで約23分、「白糸の滝」下車、徒歩約5分

周辺情報

竜返しの滝: 白糸の滝から南へ約4kmに位置する滝。
旧三笠ホテル: 歴史的な建築物として知られる。

その他

NIAGARA MOON: 大滝詠一のアルバムで、白糸の滝の滝の音が楽曲「ナイアガラ・ムーン」の冒頭で使用されています。これは、山下達郎が滝で録音したものです。

外部リンク

* [滝の地学記録カード.浅間火山東麓白糸の滝](https://www.gsj.jp/data/geology/taki/0324_shiraito.pdf'>滝の地学記録カード.浅間火山東麓白糸の滝)

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