白糸の滝 (静岡県)

白糸の滝

静岡県富士宮市に位置する白糸の滝は、その優美な姿で多くの人々を魅了する名瀑です。この滝は、古富士泥流堆積物の上に位置する白糸溶岩流の隙間から、富士山の地下水が湧き出して形成されています。その様子がまるで白い絹糸を垂らしたように見えることから「白糸の滝」と名付けられました。

滝の幅は約200メートル、高さは約20メートルで、毎秒1.5トンもの水量が流れ落ちています。文化財としての「白糸ノ滝」は、滝壺だけでなく周辺地域も含まれており、近くにある音止の滝もその一部です。白糸の滝は、その景観の美しさから、日本の[[滝百選]]にも選ばれています。

歴史

白糸の滝は、古くから風光明媚な景勝地として知られており、『信長公記』にもその名が登場します。また、近世には富士講信者の巡礼地としても栄え、滝壺の近くには天保年間に建立された食行身禄の供養碑が残されています。嘉永7年の富士講信者による自伝にも、これらの記述が見られます。

滝の上部には岩窟があり、「お鬢水」（帯の真奈井）と呼ばれる湧水があります。この水は、源頼朝が髪のほつれを直したと伝えられ、富士講の霊場としても崇められてきました。

白糸の滝は、古くから絵画の題材としても選ばれており、池大雅などが描いた作品が有名です。大雅の「富士白糸滝図」や「白糸瀑布真景図」は、富士山と共に描かれた白糸の滝の姿が、後世の画家たちにも影響を与えました。

また、源頼朝が富士の巻狩りの際に滝に立ち寄り、和歌を詠んだという伝承も残っています。

年表

1936年（昭和11年）9月3日 - 「白糸ノ滝」として国の名勝及び天然記念物に指定
1950年（昭和25年） - 「観光百選滝の部」の1位に選出
1990年（平成2年） - 日本の[[滝百選]]に選定
2006年（平成18年）9月 - 滝壺に掛かる「滝見橋」が崩落
2011年（平成23年）
3月11日の東北地方太平洋沖地震やその余震である3月15日の静岡県東部地震の影響で、階段において落石が発生。音止の滝でも一部が崩落
9月21日 - 台風15号による増水で滝壺が甚大な被害を受け、一時立入禁止に。応急復旧後、11月3日より観光可能に
2012年（平成24年）
2月8日～29日 - 滝壺周辺を立入禁止とし、本格復旧工事と測量調査を実施
4月13日 - 富士宮市が富士山の世界遺産登録に向け、滝壺の土産物店や落石防止柵などを撤去し、景観整備を行う計画を発表
2013年（平成25年）
6月22日 - 「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として世界文化遺産に登録
12月24日 - 新しく建設された滝見橋の通行が可能となる
2017年（平成29年）- 環境省公開の「富士山がある風景100選」に選定

交通機関

白糸の滝へのアクセスは以下の通りです。

鉄道・バス
JR身延線富士宮駅から路線バスで約30分、「白糸の滝観光案内所前」または「白糸の滝」下車
富士山駅行きのバスで約20分、「白糸の滝入口」下車
東海道新幹線新富士駅から路線バスで約60分、「白糸の滝入口」下車
富士急行線富士山駅・河口湖駅から路線バスで約80分、「白糸の滝入口」下車
高速バス
東京駅から高速バス「ヤキソバEXPRESS」で約3時間、「白糸の滝」下車
自動車
東名高速道路富士インターチェンジから約40分
新東名高速道路新富士インターチェンジから約35分

画像解説

(画像に関する詳細な解説は省略)

脚注

(脚注の内容は省略)

関連項目

白糸の滝
朝霧高原
陣馬の滝

外部リンク

世界遺産富士山 白糸の滝 - 富士宮市
観光名所 白糸の滝 - 富士宮市観光協会
白糸の滝 - 静岡大学防災総合センター

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