白虎隊 (1986年のテレビドラマ)

『白虎隊』

『白虎隊』は、1986年12月30日と31日に日本テレビ系列で放送された時代劇で、ユニオン映画によって制作されました。本作は『年末時代劇スペシャル』の第2作目にあたり、幕末に起こった戊辰戦争の中での会津藩の悲劇を描いています。ナレーションは鈴木瑞穂が担当し、その深い語りが作品に重厚感を加えました。

番組の特長

本作は『年末時代劇スペシャル』シリーズの中でも最大のヒット作とされます。その理由の一つが、堀内孝雄が歌う主題歌「愛しき日々」です。この曲は多くの人々に親しまれ、堀内の代表作として広く認知されています。2000年12月にはDVD版もリリースされ、前編・後編をそれぞれ第一章、第二章、第三章に分けたバージョンが登場し、2018年にはレンタルも可能になりました。

あらすじ

物語は、前篇「京都動乱」から始まります。文久2年（1862年）、会津藩主である松平容保が西郷頼母の反対を押し切って京都守護職を受けるところから物語は動き出します。彼は孝明帝から絶大な信頼を得て様々な活動を行いますが、慶応4年に発生した鳥羽・伏見の戦いでは思わぬ敗北を喫し、会津藩は裏切りに遭います。その結果、藩士たちの間には白虎隊という新たな武士団が誕生することになります。

後篇「落城の賦」では、会津戦争に突入し、悲運が続きます。白虎隊の切腹や、娘子軍の戦死、藩士たちの集団自刃など、壮絶な出来事が次々と描かれます。最終的には鶴ヶ城が開城され、残った藩士たちは斗南藩に移封され、厳しい新天地での生活を余儀なくされます。

キャスト

多彩なキャスト陣が本作をさらに魅力的にしています。井上丘隅役を演じた森繁久彌をはじめ、坂口良子、池上季実子、山岡久乃、工藤夕貴といった著名な女優たちが顔を揃えました。さらに、会津藩の重臣たちや藩士たちも個性豊かに描かれ、物語に深みを与えています。

制作背景

この作品は、前年の『忠臣蔵』の成功を受けて、より大きな規模で制作されています。放送時間が延長されたことにより、視聴者にとってよりじっくりと楽しめる内容となりました。特に、1991年には再放送されるなど、その人気は衰えることがありませんでした。

視聴者の反応と影響

放送当時、12月31日に放送された試合の視聴率は17.2%にも達し、特に高度な演技と緻密に描かれた歴史的背景が視聴者を魅了しました。このように、高い視聴率を記録し、日本のテレビ史に名を刻む作品となったのです。また、会津藩士たちのその後の生活やりんご栽培に関する歴史も後世に語り継がれています。

プレゼンテーション

特撮による鶴ヶ城の砲撃シーンは、当時の技術を駆使して見事に再現され、そのクオリティは多くの人々の記憶に残っています。加えて、番組の制作に際しては、会津若松市、観光協会、さらにはいくつかの文化遺産など、多くの場所との協力が得られました。

このように『白虎隊』はただのドラマではなく、歴史や文化を深く考察させる名作として、多くの人に記憶されています。

もう一度検索