コサギ

コサギ（小鷺）

コサギ（学名：Egretta garzetta）は、ペリカン目サギ科コサギ属に分類される鳥類です。その名の通り、チュウサギよりも小さく、全長は約60cmです。全身が純白の羽毛に覆われているため、一般的に「白鷺」として知られています。コサギは、ダイサギやチュウサギと比べると、やや小柄で、足の指の色や冠羽の形状に特徴があります。

形態

コサギの体は、細く長い首、脚、くちばしを持ちますが、ダイサギほど長くはありません。くちばしと脚は黒色で、虹彩は淡い黄色、目の周りには水色の縁取りがあります。足の指は黄色く、繁殖期には婚姻色によって桃色に変化します。夏羽では、頭部に2本の長い冠羽が現れ、背の飾り羽は先端がカールするのが特徴です。これらの特徴は、ダイサギやチュウサギとの識別点となります。ダイサギとチュウサギの飾り羽はカールしません。

アフリカ東部やマダガスカルには、全身が暗灰色の暗色型が存在しますが、北半球では非常に稀です。日本では、過去に神奈川県で数例の記録がありますが、非常に珍しい存在です。

分布

コサギは、アフリカ、アジアの熱帯・温帯地域に広く分布しています。温帯地域に生息する個体は、冬になると暖かい地域へ移動します。繁殖期には、他のサギ科の鳥類と集団で「サギ山」と呼ばれる繁殖地を形成します。早朝には、サギ山から隊列を組んで飛び立ち、採食場所へと向かいます。

生態

コサギは、水田、川辺、海岸、干潟、池、湖沼、湿原などの水辺に生息し、首を縮めて静かに立っている姿がよく見られます。主な食料は、魚類、カエル、ザリガニなどです。浅瀬を歩きながら獲物を探す際、足を小刻みに震わせ、隠れている獲物を驚かせて捕獲する行動が特徴的です。また、採食縄張りに侵入する同種に対しては、激しく争うことがあります。この際、「ギャウ」「ガァー」「ガォ」といった大きな声で威嚇します。この鳴き声は、チュウサギの「ゴァー」、ダイサギの「ガァァァ」、アマサギの「カウ アウ」、クロサギの「ガッ」とは異なり、他の白いサギと区別する上で重要な特徴です。

脚注

日本の野鳥一覧

関連項目

サギ
ダイサギ
チュウサギ

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