白鷺山公園

白鷺山公園：童謡と自然、歴史が織りなす癒やしの空間

兵庫県たつの市、白鷺山山頂一帯に広がる白鷺山公園は、自然豊かな都市公園として、多くの人々に親しまれています。西播丘陵県立自然公園の一部である的場山や龍野公園に隣接し、南側には揖保川が流れ、歴史深い粒坐天照神社や城下町を見下ろす絶好のロケーションにあります。

童謡の小径：日本の歌謡史を彩る散策路

公園のシンボル的存在である「童謡の小径」は、白鷺山山頂を縦断する散策路です。1984年、龍野市が「童謡の里」を宣言したことをきっかけに、1987年に全国から募集された人気の童謡8曲が歌碑として建立されました。

それぞれの歌碑は、作詞者の出身地を象徴する石材を用いて作られ、近づくと思わず口ずさみたくなるメロディーが流れ出す仕掛けが施されています。童謡の歴史を肌で感じながら、美しい自然の中で散策を楽しめる、魅力的な空間です。

歌碑には以下の童謡が刻まれています。

赤とんぼ（作詞：三木露風、作曲：山田耕筰）
里の秋（作詞：斎藤信夫、作曲：海沼實）
夕焼小焼（作詞：中村雨紅、作曲：草川信）
七つの子（作詞：野口雨情、作曲：本居長世）
ちいさい秋みつけた（作詞：サトウハチロー、作曲：中田喜直）
みかんの花咲く丘（作詞：加藤省吾、作曲：海沼實）
月の沙漠（作詞：加藤まさ、作曲：佐々木すぐる）
叱られて（作詞：清水かつら、作曲：弘田龍太郎）

哲学の道：静寂に包まれた思索の空間

白鷺山南側中腹には、「哲学の道」と呼ばれる小径が整備されています。哲学者、三木清を偲ぶ記念碑が設置されており、静寂の中で思索にふけるのに最適な場所です。哲学の道からさらに南へ下ると、林道を通り粒坐天照神社の境内へと至ります。

五月の台広場：憩いの場

哲学の道の南側には、五月の台広場が広がっています。自然に囲まれた広場で、ゆっくりと休んだり、景色を眺めたりと、様々な用途で利用できます。

国民宿舎赤とんぼ荘：惜しまれつつ幕を閉じた眺望の名所

かつて公園内には、1962年にオープンした兵庫県最初の国民宿舎「赤とんぼ荘」がありました。7階建ての建物からは、龍野城の城下町を一望できる絶景が楽しめ、館外の展望台からは揖保川と中国山地を遠望することもできました。しかし、赤字続きやコロナ禍の影響により、2021年3月末をもって営業を休止しました。

白鷺山墳墓群：歴史の息吹を感じる古墳群

公園周辺には、古墳時代の築造と推定される白鷺山墳墓群があります。1961年には、人骨や銅鏡などの貴重な遺物が発掘されており、歴史の深さを感じさせる貴重な史跡です。粒坐天照神社の近くには、横穴式石室が開口している狐塚古墳（市指定史跡）も残されています。

アクセスと周辺情報

白鷺山公園は、姫新線本竜野駅から徒歩約30分のところに位置しています。周辺には、兵庫県立龍野高等学校などがあります。

白鷺山公園は、童謡、哲学、歴史、そして豊かな自然が調和した、魅力あふれる公園です。たつの市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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