百年戦争の歴史 (1337-1360)

百年戦争第1段階の歴史（1337年 - 1360年）

この記事では、百年戦争の最初の段階に焦点を当てています。この期間、イングランドとフランスの間に22年間にわたる戦闘が繰り広げられました。ここでは、特にクレシーの戦いやポワティエの戦いといった重要な戦闘や、フランス王ジャン2世が捕虜となった事件、さらにはその後のフランス国内の混乱について詳しく解説します。

低地諸国と同盟の形成（1337年 - 1341年）

1337年、フランス王フィリップ6世の治下で、フランスやイングランドが中央集権化を進める一方で、神聖ローマ帝国はその影響力を失っていました。低地諸国の諸侯たちはフランスの権力拡大に不安を抱き、イングランドと同盟を結びます。特にフランドル伯ルイ1世は親フランス的でしたが、イングランドからの羊毛輸入に依存せざるを得ず、立ち位置は複雑でした。1336年には、イングランドがフランドルへの羊毛禁輸を決定すると、手工業者たちは反乱を起こし、フランドル伯を追放し自治政府を樹立しました。

その後、エドワード3世は経済的苦境からイタリアの銀行家から借金をし、侵攻を試みますが、資金調達の困難さから行動が遅れます。この間、フランスはイングランドの沿岸を襲撃し、プリマスやサザンプトンが攻撃されました。また、フランスはガスコーニュに攻撃を加えましたが、イングランド側の援軍は期待できず、フランス軍も劣勢に立たされました。

海上戦の動向（1340年 - 1345年）

1340年にはイングランド海軍がフランス艦隊に対して著しい勝利を収めます。スロイスの海戦では、フランス軍が大きな損失を被り、以降イギリス海峡の制海権をイングランドが握ることになります。この勝利により、ガスコーニュにおけるイングランド軍は相対的に安定し、その後の戦闘が有利に進むこととなります。

フランスの政権に対する挑戦

一方、フランス側ではフィリップ6世の権威が揺らぎ、国内でも対抗勢力が台頭してきました。特に1343年の休戦期間中、両国は間接的な戦闘を続け、地方の小規模な争いが相次ぎました。これにより両国は資金的にも厳しい状況に置かれ、フランスでは課税が困難を極めました。1351年に「30人の戦い」が実施され、フランス側の勝利が報告されますが、戦況は依然として厳しいものでした。

本格的な戦闘の再開（1345年 - 1351年）

1346年、エドワード3世が本格的に侵攻を開始し、クレシーの戦いでフランス軍に対して大勝を収めます。この戦闘により、フランス軍は大きな損害を被り、この後の戦闘でもイングランドの優位性が続きます。1347年にはカレーを包囲し、1348年には黒死病が流行します。

フランスの混乱と内乱（1351年 - 1360年）

1351年以降、フランス内部では貴族の不満や反乱が生じ、1358年にはジャックリーの乱が発生します。この事件は農民による反乱で、貴族や支配者に対する強い反感が背景にあります。同時に、ジャン2世が捕虜となり、フランス政府は機能不全に陥ります。1359年にはロンドン条約が締結され、後にブレティニー条約を結ぶことになりますが、この間にフランスの政治や社会構造は深刻な影響を受けます。

結論

百年戦争の初期段階は、イングランドとフランス双方にとって決定的な影響を与えました。クレシーとポワティエの戦いは、イングランドの戦術の革新を示し、フランスの貴族社会を大きく揺るがしました。これらの戦闘は、後の百年戦争の行方を大きく左右することとなります。

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