百日祝い

百日祝い（お食い初め）とは

百日祝い（ももかいわい）は、赤ちゃんが無事に生後100日を迎えたことを祝う、日本、中国、韓国に共通する伝統的な儀式です。日本では一般的に「お食い初め（おくいぞめ）」と呼ばれ、「真魚始め（まなはじめ）」、「箸揃え（はしそろえ）」、「箸初め（はしぞめ）」、「歯がため」など、地域によって様々な呼び名があります。

概要

生後100日頃は、赤ちゃんに乳歯が生え始める時期です。この時期に、「一生涯、食べることに困らないように」という願いを込めて、食事をする真似をさせるのがお食い初めの儀式です。平安時代から行われてきたとされ、江戸時代には、生後120日目に飯や魚、餅、吸い物、酒などを膳にのせて食べさせる真似をしたとされています。

祝い膳

伝統的なお食い初めでは、「祝い膳（いわいぜん）」と呼ばれる一汁三菜の食事が用意されます。祝い膳には、尾頭付きの魚（鯛など）、赤飯、煮物、香の物、紅白の餅などが並びます。また、吸う力が強くなるように吸い物（汁物）、歯が丈夫になるように歯固め石が供えられるのが一般的です。食器は、正式には漆器で高足の御膳を用います。漆の色は赤ちゃんの性別によって異なり、男児は内外ともに赤色、女児は黒色で内側が赤色とされています。

歯固め石

歯固め石は、古くは地元の神社の境内から授かり、儀式が終われば再び境内へ納めるという習わしがありました。小石の代わりに、固いクリの実を供える地域もあります。また、大阪をはじめとする関西地方では、小石の代わりにタコを供する風習があります。長野県佐久地方では、祝い膳の直後に洗い清めた石を皿に乗せ、焼鰯を添えた膳を作る風習があり、子供に石をしゃぶらせると丈夫な歯が生えると言われています。

中国の風習

中国では、百日祝いの際に赤ちゃんのための命名式を行います。また、赤ちゃんの髪の毛を切って「胎毛筆」と呼ばれる筆を作り、祖父母への贈り物にするという習慣があります。これは、子供が生まれた後の最高の縁起物であり、一番喜ばれる贈り物とされています。

西洋の近似の風習

イギリスでは、生まれて間もない赤ちゃんに行う幼児洗礼（命名式）の際に、スプーンを使ってお食い初めと似たことを行っていました。かつては、親の身分や貧富によってスプーンの材質が異なり、富裕な家では銀製、そうでない家では木製のスプーンを使用したことから、「銀の匙をくわえて生まれてきた」という言葉が生まれました。現在では、ヨーロッパ各地で幼児洗礼の贈り物として銀のスプーンを贈る家庭が見られます。

参考文献

『冠婚葬祭・暮らしのマナー事典』 - 日本文芸社
『京都・観光文化検定試験 公式ガイドブック』p.234 - 京都商工会議所編、淡交社（2005年9月刊行） ISBN 4473032450

関連項目

育児
離乳食
儀式
通過儀礼

外部リンク

出産と育児に関する神事について – 神社本庁
百日祝い（お食い初め）をする前に必要な準備 – スタジオアリス

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