百済文輔

百済文輔（くだら ぶんすけ / ふみすけ）

百済文輔は、1883年（明治16年）に生まれ、1952年（昭和27年）に没した、日本の内務・警察官僚であり、政治家です。彼は、官選県知事、川崎市長、小倉市長といった要職を歴任し、地方行政に尽力しました。

経歴

百済文輔は、現在の山口県山陽小野田市にあたる厚狭郡高千帆村で、神職である百済忠敬の息子として生を受けました。山口高等学校を卒業後、京都帝国大学法科大学政経学科に進学し、1908年に卒業しました。同年、内務省に入省し、山梨県属としてキャリアをスタートさせました。1910年11月には、文官高等試験行政科試験に合格しています。

1911年3月、山梨県東山梨郡長に就任。その後、1913年には関東都督府参事官に転じました。さらに、大阪府事務官、三重県警察部長、群馬県内務部長、愛媛県内務部長、東京府産業部長、同書記官・内務部長、北海道庁内務部長など、数々の要職を歴任しました。

1926年12月、群馬県知事に就任。県知事として、産業会館の建設、共進会の開催、蚕糸業資金の確保、教育調査会の設置など、県政の発展に尽力しました。1927年5月には、奈良県知事に転任しています。

1929年8月、台湾総督府殖産局長に転任。1931年5月8日、依願免本官となり退官しました。同年、川崎市長に就任。1934年3月には小倉市長となり、1938年3月までその任を務めました。

人物

1924年に家督を相続しました。渋谷区の多額納税者であり、宗教は神道を信仰していました。趣味は、ゴルフ、釣り、園芸、囲碁と多岐にわたりました。住所は東京市渋谷区元広尾町（現在の渋谷区広尾）に構えていました。

家族・親族

百済家

父：忠敬（山口士族）
母：トマ（1854年 - ?、百済忠安の三女）
妻：ミツ（1892年 - ?、山口士族、中村珍政の三女）
男：十一郎（1912年 - ?、日本鉱業会社員）
二男
三女
四女
五女

親戚には、弟の金沢正夫（海軍中将）がいます。

参考文献

豊多摩時事新聞社編『渋谷区多額納税者名鑑』豊多摩時事新聞社、1933年。
人事興信所編『人事興信録 第10版 上』人事興信所、1934年。
人事興信所編『人事興信録 第12版 上』人事興信所、1940年。
『群馬県人名大事典』上毛新聞社、1982年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

百済文輔は、激動の時代に地方行政を担い、日本の発展に貢献した人物として、その名は記憶されるべきでしょう。

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