金沢正夫

金澤正夫：日本海軍の中将

生涯と経歴

金澤正夫（かなざわ まさお）は1889年10月25日に山口県で生まれました。彼は神職の家系の次男として誕生し、その後金沢家に養子として迎え入れられました。教育を受けた後、1911年7月に海軍兵学校に入校し、39期生として卒業。その後すぐに海軍少尉に任官され、日本の海軍の一員としての人生をスタートしました。

金澤は1918年に海軍砲術学校高等科を修了し、続けて「山城」や「樫」など多くの艦船での指導的役割を果たしました。特に海軍大学校を1923年に卒業したことは、彼の軍事的知識と指導力を大きく向上させる重要なステップでした。以降、副砲長や砲術長を歴任し、1927年には海軍省の副官兼海相秘書官として岡田啓介大臣に仕えることになります。

その後、ロンドン軍縮会議に随行、また艦長や連合艦隊参謀として数々の重要なポジションに就くことで、金澤は軍の中で信頼される人物へと成長しました。1938年には海軍少将に昇進し、さらなる責任ある職務を担うことになります。

太平洋戦争での活動

太平洋戦争が勃発すると、金澤は第4艦隊司令部付として出征し、第8根拠地隊司令官としての役割を果たしました。1942年5月には海軍中将に昇進し、海軍施設本部長に任命されます。1945年5月には呉鎮守府司令長官として就任し、彼の任期中には呉軍港が空襲を受けるという厳しい状況にも直面しました。

鎮守府司令長官としての任務が終わった後、金澤は同年11月に予備役に編入され、第二次世界大戦終結後は公職追放の仮指定を受けることとなりました。

戦後の活動

戦後、金澤は静かな生活の中で、東郷平八郎を祀った東郷神社の責任役員として尽力し、また東郷会の副会長にもなりました。さらに、『東郷神社復興史』の編纂に関与し、彼の軍人としての経験と知識を後世に伝える役割を果たしました。

栄典と家族

金澤の軍歴における功績は、多くの栄典で讃えられました。特に、1938年には正五位、1942年には従四位に叙せられました。また、彼の兄は内務官僚として活躍した百済文輔であり、家族もまた社会の中で影響力を持っていました。

金澤正夫の人生を通じて、日本の海軍の歴史とその変遷を捉えることができ、彼の業績は今なお多くの人々に記憶されています。

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