百里原海軍航空隊

百里原海軍航空隊について

百里原海軍航空隊（ひゃくりはら かいぐん こうくうたい）は、日本海軍の重要な航空部隊として設立され、唯一の教育及び戦闘任務を果たしました。その役割は長い歴史の中で変遷し、最終的には特別攻撃隊として沖縄方面の特攻作戦に参加しました。

沿革

百里原海軍航空隊の歴史は昭和13年に遡ります。この年、茨城県に筑波海軍航空隊の補助飛行場が整備され、同時に実用機専修のための練習機分遣隊が設置されました。百里原分遣隊は1938年12月15日に正式に開隊し、初めて300名の隊員が赴任しました。

その後、1940年には第十一連合航空隊に所属し、新たに操縦練習生の訓練が開始されました。1942年には予備の甲飛8期が入隊し、航空教育が本格化しました。さらに、1943年には艦上の爆撃機や攻撃機の慣熟訓練を始め、部隊の機材も次々と増強されました。

しかし、昭和19年以降は、国防の方針が変わり、哨戒任務にも携わるようになりました。特に、沖縄戦においては特攻部隊を編成し、最後の抵抗を試みました。実際、1945年には「神風特別攻撃隊」が編成され、特攻任務に従事しました。

終戦後の百里飛行場

終戦後、百里原飛行場は開拓地に転用され、初期には破壊されてしまいましたが、その後は航空自衛隊の基地として生まれ変わりました。昭和31年には再開を目指す動きが始まり、昭和41年には正式に基地として開隊されました。これは、首都圏で唯一の戦闘機運用が可能な飛行場として、重要な役割を果たすことになります。

2009年以降、民間機と共用するための準備が進められ、2010年には茨城空港として営業を開始しました。この空港は、毎年多くの見学客が訪れる航空観閲式の開催地としても知られる一方、基地反対派の意見も多くあることでも注目されています。

主力機種と教育体制

百里原海軍航空隊で使用された主力機材には、九〇式機上作業練習機や白菊、九六式艦上爆撃機、九九式艦上爆撃機などが含まれます。教育に使用された機材はその時々で異なり、特に慣熟訓練に適した機種が多く揃っていました。

歴代司令

指揮官として、多くの著名な軍人が歴任しました。特に、宗雪新之助大佐や亀井凱夫中佐などが初期の指導者として知られています。

甲種飛行予科練の碑

平成20年には、かつての迎撃機の墜落地点に「甲種飛行予科練の碑」が建立され、予科練生が戦地で犠牲になったことを記憶するための慰霊祭が行われています。さらに2019年には当時の遺骨も発見され、当時の歴史を振り返る重要な資料となっています。

百里原海軍航空隊は、日本の航空戦力の中で特に重要な役割を担い、多くの隊員を育て上げました。戦争の激動の中で変遷したその歴史は、今も私たちに多くの教訓を残しています。

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