皆川四郎

皆川四郎（みながわ しろう、1852年 - 1911年）は、日本の実業家、政治家です。旧姓は岩崎、幼名は馬之助といいました。

生い立ちと初期の経歴

皆川四郎は、信濃国伊那郡中村（現在の長野県飯田市）で生まれました。その後、飯田城下の皆川家の養子となりました。維新後に上京し、安井息軒に師事した後、弁護士（代言人）となりましたが、後に実業界に転身します。

弁護士時代

弁護士時代には、明治12年に植木鋼二郎と共に京橋区銀座に法律事務所を開業しました。翌年には、司法省附属の弁護士である星亨の組合加入に反対する運動を楠木鋼二郎、田村成義らと展開しました。

また、明治11年には、幕末の豪商であった伊藤八兵衛の娘、八女信子と結婚しました。信子の姉は、実業家として知られる渋沢栄一の妻である兼子であり、この結婚が縁で皆川四郎は渋沢一族の団体である竜門社の一員となりました。

長野県警での勤務

その後、皆川四郎は明治15年4月に長野県警部兼典獄（監獄係の最高責任者）として長野県警に入り、6月には警部長に昇進しました。しかし、明治16年11月には辞任しました。

実業家としての活躍

長野県警を辞任後、皆川四郎は再び上京し、義兄である渋沢栄一が頭取を務めていた第一銀行に入行しました。渋沢の秘書を経て、明治18年初めには石巻支店長に就任しました。

明治23年には、東京電灯会社の支配人となり、経営手腕を発揮しました。さらに、明治29年には株式会社化した東京歌舞伎座（第2期）を創立し、初代社長に就任しました。歌舞伎座の経営者として、日本の伝統芸能の発展に貢献しました。

政治家としての活動

実業家として成功を収めた皆川四郎は、政界にも進出しました。1898年（明治31年）の第5回衆議院議員総選挙に長野県第7区から出馬し、見事当選を果たしました。

死去

1911年（明治44年）、皆川四郎は生涯を閉じました。

まとめ

皆川四郎は、弁護士から実業家、政治家へと転身し、多岐にわたる分野で活躍した人物です。渋沢栄一との縁を基盤に、実業界で頭角を現し、東京電灯や歌舞伎座の経営に携わりました。また、衆議院議員としても活動し、日本の近代化に貢献しました。

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