皆川洸

皆川 洸（みながわ たけし）について

皆川洸は1920年8月18日に山形県鶴岡市八間町で生まれ、1984年3月3日に死去した日本の国際法学者です。彼は法学博士であり、一橋大学法学部の教授として多くの後進を指導しました。在任中に健康を害し、肝不全で亡くなりましたが、その業績と指導力は今もなお多くの人々に影響を与えています。

学歴

皆川は1938年に旧制山形県立鶴岡中学校を卒業後、1941年に東京商科大学（後の一橋大学）予科を修了し、1943年には本科を卒業して法学士の学位を取得しました。その後、1962年に九州大学から法学博士の学位を受け、学位論文として『判例を中心とした国際裁判手続の研究』を発表しました。

職歴

1943年に外務書記生としてキャリアをスタートし、すぐに海軍に入隊、短期現役の海軍主計科士官としての任務を果たしました。終戦後は外交官補を務めた後、1948年に神戸市立外事専門学校の助教授に就任し、1950年からは教授として教育の場に立ちました。1960年、神戸市外国語大学に移り、1964年に退職するまで教授として活動しました。

その後、上智大学法学部の教授を経て、1967年には一橋大学法学部の教授に就任しました。1972年に法学部長に就任し、さらに早稲田大学や広島大学、日本大学などでも教師として教鞭を取るなど、幅広い教育活動を展開しました。

研究歴

皆川は国際法学会の理事を1967年から務め、1978年には同学会の理事長に就任しました。彼が在任中に、その活動は国際法学の発展に寄与し、全国の法学者たちへの影響を広げました。また、1982年には名誉理事に就任し、彼の貢献は学界全体に評価されています。

門下生と影響

彼の教えを受けた多くの学生は、社会の各界で活躍しています。特に森川俊孝氏（横浜国立大学名誉教授）、中村恵氏（日本大学法学部教授）、大隈宏氏（成城大学名誉教授）など、門下生の中には名だたる教授陣が揃っています。中には内閣府副大臣を務めた末松義規衆議院議員も彼のゼミ出身者です。

著書と論文

皆川の著作には『国際訴訟序説』や『国際法研究』など、国際法に関する多くの著作品があり、学術界において高く評価されています。また、彼の論文も各種の法学書に収められており、国際法学における重要な資料として位置付けられています。特に『国際連合憲章第二条第六項の解釈』や『竹島紛争と国際判例』などは学界でしばしば引用される主要な論文です。

人物評価

皆川はただ学問のみならず、学界の発展にも力を注ぎ、国際法学の普及と発展に寄与しました。彼の業績は、国際法の研究者や学生にとって重要な指標となり、今後もその名は語り継がれることでしょう。彼が享年63でこの世を去ったとき、贈正四位・勲三等旭日中綬章が授けられ、その亡き後も名が高く評価されています。

もう一度検索