皆川麻由美

皆川麻由美（みながわ まゆみ）は、1982年10月13日に生まれた、岩手県競馬組合に所属していた元地方競馬騎手です。主な活動拠点は水沢競馬場でした。

騎手への道のり

岩手県立水沢農業高等学校の馬術部で活動し、馬との関わりの基礎を築きました。その後、地方競馬教養センターの騎手課程第80期生として、プロの騎手になるための専門的な訓練を積みました。厳しいカリキュラムを修了し、2004年9月29日付で地方競馬騎手免許を取得、念願の騎手デビューへの扉を開きました。

騎手キャリアの歩み

プロ騎手としての第一歩は、2004年10月16日、当時の所属厩舎であった千田知幸厩舎からの出走でした。デビューからおよそ8ヶ月後の2年目、2005年6月11日には、コアレスダイナに騎乗してキャリア初の勝利を挙げました。これは彼女の騎手生活における重要な節目となりました。
騎手として3年目を迎えた2006年には、岩手競馬の重賞競走である青藍賞にマイネルダンドークとのコンビで挑戦し、自身初めての重賞騎乗を果たしました。
また、他地区の競馬場での活躍もありました。2006年11月15日に荒尾競馬場で開催された全日本レディース招待競走に出走した際、第2レースでの勝利を収め、所属の岩手県以外の競馬場での初勝利を記録しました。同年12月4日には、水沢競馬場の特別戦であるシルバーステッキ賞をケイアイオラクルとのコンビで制し、特別戦での初勝利も飾るなど、着実に成績を積み上げました。

所属厩舎の変遷

皆川騎手の騎手キャリアを通じて、所属厩舎は何度か変更がありました。デビューから長らく千田知幸厩舎に所属していましたが、2011年8月2日付で櫻田浩樹厩舎へ移籍しました。さらに同年10月1日には千葉幸喜厩舎へ、そしてわずか3日後の10月4日付で、最終的な所属先となる菅原右吉厩舎へと移りました。これらの所属変更を経て、騎手生活の最後の数ヶ月を菅原厩舎で過ごしました。

活躍と人物像

皆川騎手は、その明るく元気な性格で多くのファンや関係者から愛されました。初勝利を挙げた際のインタビューや、競馬場内外でのイベント、テレビ出演など、人前に出る機会では常に持ち前の明るさを発揮し、場を和ませました。彼女の明るい人柄は、他地区の女性騎手のブログなどでも度々紹介されるほどでした。
騎手としての実績では、全国の女性騎手が腕を競うレディースジョッキーズシリーズ（LJS）での活躍が特に注目されます。2006年、2007年、2008年と、3年連続でこのシリーズの総合3位という安定した成績を収めました。これは、全国の女性騎手の中でもトップクラスの実力と経験を持っていたことの証と言えるでしょう。
また、彼女の親しみやすい人柄を示すエピソードとして、2007年11月に地元水沢競馬場で行われた報告会での出来事があります。ファンに記念品のトレーディングカードを手渡しで配っていた際、ファンサービスに熱心になりすぎて身を乗り出しすぎた結果、バランスを崩して競馬場に積もっていた雪の中に飛び込んでしまうという、ハプニングがありながらも皆を笑顔にする一幕がありました。

引退

2012年1月2日、皆川麻由美騎手は突然の現役引退を発表しました。そして、同年1月8日の水沢競馬場での騎乗が、彼女にとって約7年3ヶ月にわたる騎手生活の最後となりました。引退の理由や今後の活動については、実家のある埼玉県へ戻り、家業を継ぐとともに、結婚する予定であることを明らかにしました。
地方競馬での通算成績は1035戦27勝。短いながらも、その明るい人柄とLJSでの好成績など、記憶に残る活躍を見せた騎手でした。

もう一度検索