益満休之助

益満休之助

益満休之助（ますみつ きゅうのすけ）は、幕末の薩摩藩士です。薩摩国鹿児島高麗町（現在の鹿児島市）で生まれました。高麗町は、加治屋町方限と並び、幕末から明治にかけて多くの偉人を輩出した地域として知られています。

生涯

益満休之助は、薩摩藩の尊王攘夷派として、江戸で活動しました。万延元年（1860年）には、清河八郎が結成した虎尾の会に名を連ねています。

慶応3年（1867年）末、西郷隆盛の密命を受け、伊牟田尚平らとともに江戸へ赴き、江戸薩摩藩邸を拠点に活動を開始しました。中村勇吉、相楽総三ら約500名の浪人を集め、江戸市中を意図的に混乱させる工作を行いました。これは、幕府の施政を妨害し、幕府軍を挙兵させ、それによって江戸を中心とした関東地区を撹乱し、民衆の不満を煽り、尊皇攘夷の大義名分を得て、新政府樹立への足がかりとすることを目的としていました。

益満らの工作は、幕府の想定を大きく超える結果をもたらしました。江戸取締役を務めていた庄内藩軍を主力とする幕府軍が江戸薩摩藩邸を襲撃するという事態に発展。この知らせは大坂城にも伝わり、会津藩及び桑名藩を刺激し、鳥羽・伏見の戦いが勃発するきっかけとなりました。

その後、益満は幕府方により逮捕されましたが、処刑される直前に勝海舟によって身請けされ、幽閉されました。慶応4年（1868年）3月、新政府軍による江戸総攻撃の際には、勝海舟の命を受け、幕府の使者である山岡鉄舟を駿府総督府へ送るという大役を果たし、西郷隆盛との会見を成功させました。

同年5月の上野戦争では、流れ弾にあたって横浜の野戦病院で死去したと伝えられています。享年28歳でした。

関連作品

益満休之助を題材とした作品は、以下の通りです。

玉川良一 - 「てなもんや三度笠」（朝日放送）
浜畑賢吉 - 「勝海舟」（NHK大河ドラマ）
室田日出男 - 「三姉妹」(NHK大河ドラマ）
西田敏行 - 「風の隼人」（NHK）
平泉成 - 「五稜郭」（日本テレビ）
船越英一郎 - 「勝海舟」（日本テレビ）
* 佐藤允 - テレビ朝日版「半七捕物帳」第26話

益満休之助は、その短い生涯の中で、幕末の激動期において重要な役割を果たした人物の一人です。彼の行動は、日本の歴史の流れを大きく変える要因の一つとなりました。

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