風の隼人

風の隼人

「風の隼人」（かぜのはやと）は、1979年8月8日から1980年4月2日までの約8ヶ月間、NHK総合テレビにて放送された全28話から成る時代劇ドラマです。この作品は、薩摩藩の政治的な陰謀と人間ドラマを描いており、視聴者に深い感動を与えました。放送終了後も、2007年に時代劇専門チャンネルで再放送され、今なお多くのファンに親しまれています。

あらすじ

物語は、薩摩藩の内部対立を背景に展開します。藩主・島津斉興の側室であるお由羅が権力を掌握し、彼女の子である島津久光を次の藩主にするために、呪術師・牧仲太郎を使って島津斉彬及びその家族に呪いをかける計画を立てます。

一方、斉彬派に属する仙波小太郎は、牧一派との壮絶な戦いに身を投じていきます。小太郎による斉彬を守ろうとする姿勢やお由羅との対立は、物語全体を緊迫したものにしています。彼らの葛藤や運命が交錯する中で、時代の流れと人間の欲望がどのように衝突していくのかが描かれます。

スタッフ・キャスト

この作品は、直木三十五の小説「南国太平記」を原作とし、脚本を市川森一が担当。演出は村上佑二と原嶋邦明が行っています。音楽は小林亜星が手掛け、物語の雰囲気を盛り上げています。語りは当時NHKアナウンサーの中江陽三が務め、視聴者を作品の世界へと導きました。

主要キャストとして、勝野洋が仙波小太郎を演じ、西田敏行が益満休之助、夏目雅子が仙波綱手を務めます。津川雅彦や中村俊一、南田洋子といった実力派俳優たちが揃い、物語に厚みを与えています。

視聴率と評価

放送当初から高い人気を誇り、平均視聴率は11.6%を記録しました。特に、「嵐になれ！」では14.1%、「夕陽の決闘」では13.4%と、視聴者の関心を引きました。各話には多彩なサブタイトルが付けられ、物語の展開を印象的に彩っています。

主題歌

主題歌「わたしの祭り歌」は小林亜星が作曲し、この作品をさらに魅力的なものにしています。

総評

「風の隼人」は、激動の時代を生き抜く人々のドラマが描かれた作品で、歴史的な背景も交えながら、心温まる友情や裏切りなどの要素が織りなされています。視聴者に深いメッセージと感動を残すこの作品は、時代劇の金字塔と呼ぶにふさわしいものでしょう。

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