盧伯麟

盧伯麟（ノ・ベンニン）は、1875年1月10日に黄海道松禾郡で生まれ、1926年1月22日に上海で生涯を閉じました。彼は朝鮮の独立運動に生涯を捧げた軍人であり、政治家でもありました。号は桂園と称しました。

幼少期には漢学を学んだ盧伯麟は、1895年に大韓帝国の官費留学生として日本へ留学し、慶應義塾で学びました。その後、陸軍士官学校に進み、1899年11月21日に卒業、日本陸軍少尉に任官しました。1900年10月に帰国後、大韓帝国軍の参尉に任官し、武官学校教官や研成学校校長を歴任しました。しかし、親日的な軍人とは異なり、盧伯麟は第二次日韓協約や日韓併合条約など、日本の国権委譲に繋がる条約に一貫して反対しました。

1907年には安昌浩、梁起鐸、李東寧らと共に新民会を組織し、独立運動への道を歩み始めます。1910年10月1日の日韓併合条約締結を機に官職を辞し、下野しました。その後、1915年に中国を経てアメリカへ亡命し、ハワイでアメリカ軍の援助を受けながら朴容万と共に韓人独立軍部隊を組織しました。サンフランシスコに移ってからは、空軍の重要性を認識し、カリフォルニア州北部に飛行学校を設立し、空軍部隊の育成に尽力しました。

1919年の三・一独立運動後、漢城臨時政府では軍務副総長、上海の大韓民国臨時政府では軍務総長に選出されました。その後、臨時政府の国務総理に就任し、李東輝、柳東説、申采浩、朴容万らと共に武力による独立運動の展開を主張しました。しかし、1926年11月26日に上海で病死しました。一部では臨時政府の状況に絶望して自殺したとも言われています。

盧伯麟の遺体は火葬され、遺骨は上海の外国人墓地「宋慶齢陵園」に埋葬されましたが、1993年8月10日に国立ソウル顕忠院に改葬されました。1962年には建国勲章大統領章が追叙され、彼の独立運動への貢献が讃えられました。また、3人の子供たちも独立運動に参加し、建国勲章を授与されています。

盧伯麟は、日本による支配に抵抗し、朝鮮の独立のために生涯を捧げた偉大な独立運動家でした。彼の活動は、後の世代に大きな影響を与え、朝鮮半島の独立運動史において重要な役割を果たしました。

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