盧従史

盧 従史の生涯と業績

盧従史（ろ じゅうし、生年不詳 - 810年）は、唐代の著名な軍人であり、昭義軍節度使を務めました。彼の人生は数々の栄光とともに、暗い影も抱えていました。盧従史は江汝二州刺史・秘書監であった盧虔の子として生を受け、若い頃から特に優れた体力と技術を持ち、騎射を学びつつ沢州や潞州の地域を遊興しました。

軍人としての出発

盧従史は、昭義軍節度使であった李長栄に抜擢され、大将としての地位を得ることになります。貞元20年（804年）に李長栄が亡くなると、盧従史は検校工部尚書に任命されると同時に、潞州長史、昭義軍節度使、さらに沢潞磁邢洺観察使といった重要な役職も兼任しました。このように、彼は政治的にも大きな力を持つことになりました。

権力の乱用と反乱

しかし、彼の人生は順風満帆ではありませんでした。盧従史は自由すぎる行動がしばしば問題を引き起こしました。彼は部将の妻妾を奪うなど、周囲からの非難を浴びることに。従事の孔戡たちが彼に対し直言して諫めるも、彼はそれを無視し、次第に部下たちが離れていく事態を招きました。また、父が亡くなった際には喪に服するべきところを、朝廷の許可を得ずに復職しました。このような彼の行動は、やがて彼の運命を大きく変えることになります。

反乱の鎮圧命令と内通

元和4年（809年）、成徳軍節度使の王士真が亡くなると、その子王承宗は魏博節度使である田季安と結託し、反乱を起こします。この混乱の中、盧従史は憲宗から討伐命令を受けますが、彼は軍を出すことをためらい、何らかの理由から王承宗と秘密裏に通謀していたとも言われています。こうした裏切りの行動は、彼の権力をますます脅かすことにつながりました。

最期と子供たちの運命

元和5年（810年）、彼は神策中尉の吐突承璀に捕らえられ、長安に護送されます。その後、4月には驩州司馬に左遷されることになり、最終的には死を賜る事態となったのです。彼の子供たちである盧継宗を含む4人は、すべて嶺南に流される運命にありました。

伝記資料と参考文献

彼の伝記は『旧唐書』や『新唐書』に記載されており、研究者にとって重要な資料となっています。特に、『旧唐書』巻132の列伝第82と『新唐書』巻141の列伝第66は、彼の人生を理解する上で欠かせない情報源です。これらの資料は、特に1975年に中華書局から出版され、貴重な歴史的資料として広く引用されています。

盧従史の生涯は、権力と裏切り、そして人間の欲望の葛藤に満ちており、唐代の軍人たちの中でも一際目立つ存在となっています。

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