盧循の乱

盧循の乱

盧循の乱（ろじゅんのらん）は、中国東晋末期の元興元年（402年）3月に盧循によって引き起こされた大規模な反乱である。この出来事は、続く孫恩の乱と合わせて「孫恩・盧循の乱」とも呼称されている。

背景

反乱の舞台となる広州では、孫恩が亡くなった後、盧循は臨海、永嘉、東陽の地域で朝廷の軍隊と激しい戦闘を繰り広げていた。元興2年（403年）の正月、盧循は東陽を襲撃し、同年の8月には永嘉を攻撃した。このような状況の中、劉裕は彼を討伐するために晋安（福建省東部）まで進撃を行う。しかし、追い込まれた盧循は海路を利用して番禺（現在の広州市）に移動し、ここで壮絶な戦闘を経て広州を制圧。彼は平南将軍と名乗り、貢物を朝廷に送る。その後、混乱する朝廷は盧循を仮に征虜将軍や広州刺史に任命することにした。

再挙兵の兆し

義熙年間（405年 - 418年）、劉裕が南燕の軍を打ち破った際、盧循の姉婿である始興郡の太守徐道覆が盧循に出撃を勧めた。しかし消極的だった盧循はこの提案を固辞する。「隙ができている今こそ、行動すべきだ」と徐道覆に強く説得され、彼は渋々従うことになる。
一方、徐道覆は船を密かに準備し、木材を集める一方で、周囲を惑わしながらも船の建造を進めて行った。

反乱とその展開

義熙6年（410年）2月、ついに盧循は反乱を決行し、各地を襲撃。郡国の長官たちは恐怖から逃げ出した。鎮南将軍の何無忌が抵抗するも敗北し、盧循は徐道覆を江陵攻撃へ派遣。ただし、官軍に敗北する結果となる。盧循は江を下る準備を進め、大軍を率いて江寧を襲撃。しかし、劉裕はこれを警戒し、石頭に柵を築いて盧循の軍を阻止する。盧循の攻撃にもかかわらず、彼は数度にわたる敗北を重ね、最終的には江州に向けて拠点を移すことになる。

江州の戦いとその後

劉裕は盧循を追撃し、雷池で破れる。一方、退却した盧循は豫章で防戦を試みるが、再度劉裕に敗北。広州に戻ったものの、既に劉裕によって包囲されていた。次第に混乱が生じ、盧循は合浦を攻略し交州に進攻しようとするも、そこで交州刺史の杜慧度の策略に捕まる。

盧循は絶望し、家庭を顧みてまず妻子に毒を盛り、最後には自死を選ぶ決断をする。その後、彼の尸は水から引き上げられ、さらなる処罰を受ける運命となった。この乱は最終的に鎮圧されたが、盧循の死は歴史の中に深く刻まれることになった。

まとめ

盧循の乱は、時代の動乱や人々の選択が交錯した歴史的な事件である。これを契機として、後に続く出来事や影響を理解するための重要な一幕である。

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