盧昶

盧昶の生涯

盧 昶（ろ ちょう、生年不詳 - 516年）は、北魏の官僚および軍人であり、字は叔達と呼ばれていました。また、小字は師顔と称され、本貫は范陽郡涿県でした。彼の人生は広範な学問と、官職における栄光、そして数々の悲劇的な出来事に彩られています。

経歴の初期

盧昶は盧度世の子として生まれ、若いころから経書や史書に精通し、早くも名声を得ていました。494年（太和18年）には太子中舎人や兼員外散騎常侍の職に任じられ、南朝斉への使者として任務を果たしました。その際、盧昶の兄である盧淵が北魏の軍に従軍し、江南地域における盧昶の立場は複雑化しました。彼は南朝の不遇な待遇にもかかわらず、帰国したものの陰口を叩かれ、結果として免官されてしまいます。

復帰と昇進

その後、盧昶は彭城王元勰の友人として再び官職に就き、秘書丞に任命されました。500年（景明元年）には中書侍郎となり、給事黄門侍郎や幽州大中正を歴任しました。また、後には散騎常侍の地位を兼任し、尚書としても活動をしました。特に503年（景明4年）には、洛陽において白鼠を献上する儀式に際して、その出現を民衆に対する不正の象徴として説明し、高官を追放し、税や労役を軽減するよう上奏しました。

さらなる出向

侍中に転任後、盧昶は故郷への責任を全うするだけでなく、数々の士人たちとの交流を図りながらも、宣武帝の信任を得ることに成功しました。ただし、彼の行動は同時代の士人に非難されることも少なくありませんでした。その後、彼は鎮東将軍として徐州刺史に出向し、数々の軍事的な任務を遂行しました。

戦いの末に

511年（永平4年）、盧昶は南朝梁との接触があった際に、敵の首領王万寿による蛮行に直面します。盧昶は張天恵を200人の精鋭部隊で派遣し、事態に対処しましたが、最終的には梁軍との戦いで敗北を喫し、自らも捕虜にされる寸前のところまで追い詰められました。この戦いにおける敗北、いわゆる朐山の戦いは、盧昶の職業人生に転機をもたらすこととなります。

晩年と追贈

その後、彼は一時期太常卿として任用され、安西将軍や雍州刺史に転任し、最終的には鎮西将軍の称号も与えられました。516年（熙平元年）、在官のまま生涯を閉じることになりますが、死後には征北将軍および冀州刺史の位が追贈され、彼の業績は後世に語り継がれました。盧昶はその生涯において様々な家庭の子どもたちを残し、一族はその後も北魏における重要な役割を担っていくことになります。彼の子どもたちには盧元聿、盧元明、盧元緝などがいて、特に盧元聿は孝文帝の娘を妻に迎え、官職を得ました。

盧昶の伝記は『魏書』や『北史』に記されています。彼の人生と業績は歴史に刻まれ、当時の北魏の現実を映し出す重要な存在として評価されています。

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