直通特急 (阪神・山陽)

直通特急：阪神と山陽を結ぶ快速列車

はじめに

直通特急は、阪神電気鉄道と山陽電気鉄道が共同運行する特急列車です。大阪梅田駅から山陽姫路駅まで、阪神本線、阪神神戸高速線、山陽電気鉄道本線と3路線を直通運転する、両社を代表する列車と言えるでしょう。略称として「直特」も用いられます。

運行概要

基本的には大阪梅田～山陽姫路間の全区間を運行しますが、早朝や深夜は一部区間のみの運行となる列車もあります。運行開始当初から、特別急行券は不要で利用できます。

区間運転

ダイヤ改正により区間運転は変遷しています。現在（2023年11月時点）は、平日早朝に梅田～東二見間、早朝・深夜に高速神戸～山陽姫路間、御影～山陽姫路間、西宮～山陽姫路間などが設定されています。

停車駅

停車駅は、大阪梅田、尼崎、甲子園（一部通過）、西宮、芦屋、魚崎、御影、神戸三宮、元町、西元町（一部）、高速神戸、新開地、大開（一部）、高速長田、西代（一部）、板宿、月見山、山陽須磨、須磨浦公園（臨時）、滝の茶屋（一部）、山陽垂水、舞子公園、山陽明石、東二見、高砂、荒井（一部）、大塩、白浜の宮（一部）、飾磨、山陽姫路です。停車パターンは非常に多様で、10通りにも及ぶ複雑な運行形態となっています。これは、ラッシュ時間帯や時間帯によって停車駅が変わるためです。特に、甲子園駅、西元町駅、大開駅、西代駅、滝の茶屋駅、荒井駅、白浜の宮駅などは、時間帯によって停車する列車と通過する列車が分かれている点が特徴的です。

使用車両

6両編成で運行され、阪神電気鉄道からは8000系、9000系、9300系、1000系、山陽電気鉄道からは5000系、5030系、6000系が使用されています。座席配置は、クロスシートとロングシートの車両が混在しています。

歴史

直通特急は1998年2月15日に運行を開始しました。当初は阪神8000系・9000系、山陽5000系・5030系が使用され、梅田発の特急は山陽姫路行き、高速神戸行き、須磨浦公園行きが30分間隔で運行されていました。運行開始後、利用者の増加に伴い、増発や運行体系の見直しが行われ、停車駅も徐々に増加していきました。また、2009年の阪神なんば線開通により、尼崎駅での接続も可能となり、利便性が向上しました。

イベント列車

阪神タイガースの試合開催日には「さんよう・はんしんタイガース号」が運行されます。事前応募が必要なイベント列車で、甲子園球場へのアクセスと観戦チケットがセットになっています。また、日本酒の酒蔵見学ツアーを目的とした「播磨酒蔵ライナー」も、阪神と山陽の共同企画として運行されています。

まとめ

直通特急は、大阪梅田と山陽姫路を結ぶ重要な交通手段として、多くの利用者から支持されています。複雑な運行形態や停車パターン、イベント列車など、多様な側面を持つこの列車は、阪神と山陽の緊密な連携によって支えられています。今後も、沿線の発展と共に、さらなる利便性向上や魅力的なサービスが期待されます。 特に近年は、ダイヤ改正による停車駅の変更、新たな車両の導入など、常に進化を続けており、利用者にとって快適な移動を提供し続けています。 今後のダイヤ改正やサービスの展開にも注目が集まります。

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