相 (夏)

相（しょう）についての詳細

相は、夏朝第5代目の皇帝であり、少康の父としても知られています。彼は、帝丘に都を構えるところからその治世が始まりました。彼の統治の初期にあたる9年目には、斟鄩に遷都し、さらに15年後の28年目には再び帝丘へと都を戻したと伝えられています。しかし、その統治は決して称賛されるものではなく、彼は暴君としての側面が強調されています。

歴史的な資料によると、相は政治を十分に考慮せず、その支配は圧制的であったとされています。特に、有窮氏の后羿が起こした反乱は、彼の治世における大きな出来事でした。この反乱によって、后羿の家臣である寒浞によって相は命を落とします。この事件は、夏王朝の帝室の権力が大きく損なわれる契機となり、さらには夏王朝が滅びる原因ともされています。

『竹書紀年』という古い文献によると、相の元年（戊戌の年）には、淮夷を討伐し、2年目には風夷や黄夷を討つなど、一応の軍事的な成果もあったことが記されています。しかし、これらの軍事行動が国の安定や権力の強化に寄与したかどうかは疑問が残ります。相の7年には干夷の使者が訪れる記録があり、交流の跡も見られますが、同じ年の8年には寒浞が后羿を殺す出来事が起き、歴史が大きく動きます。

最終的に相自身も28年目に寒浞とその子である澆によって殺されてしまいます。このように相の治世は、彼自身の暴政や無能が招いた悲劇に終わることとなり、その影響は後の中国史にまで残ることになるのです。

まとめ

相の治世は、夏朝の歴史の中で非常に重要な位置を占めていますが、その評価は一様ではありません。彼の暴君としての評判は、権力の乱用や無責任な統治に由来していますが、他方で初期の軍事的成功も否定できません。また、相の暗殺後、夏王朝はその権力の基盤を失い、結局は滅びへと向かうことになります。相の活動は、その後の王朝に大きな影響を与えたのです。彼に関しては、放伐や王殺しといった言葉が出てくることからも、その支配下における政治的な混乱が伺えます。

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