相模野台地

相模野台地の概要

相模野台地（さがみのだいち）は、神奈川県の中心部にある地域で、特に相模原市の北部に広がっています。この台地は、相模川と多摩丘陵に囲まれた自然豊かな場所であり、地域の風土や歴史を色濃く反映しています。相模原市ではこの台地を相模原台地とも呼び、地元の人々に親しまれています。また、この文章では座間丘陵（ざまきゅうりょう）についても触れます。座間丘陵は相模平野の一部分と見なされることがあり、台地の西側に位置しています。

地理的特徴

相模野台地は、北半部が相模原市に含まれ、南半部は大和市や座間市、海老名市など複数の市町にわたっています。また、境川の左岸には東京都町田市や横浜市の瀬谷区、泉区、戸塚区も含まれます。台地の旧国郡は、大半が相模国高座郡に属し、ごく一部は武蔵国多摩郡や鎌倉郡に交わります。

台地の地形は、相模川の流れに影響を受け、主に河岸段丘として形成されています。この地形は、数段の段丘面から成り立ち、最大で十数段まで分類されています。相模野台地は、古い地域から新しい地域へと年代に沿って分かれ、腕状に広がる台地や丘陵が見られます。

相模野台地の主な段丘面

• - 相模原面群: 最も広範囲をカバーし、相模原市緑区の川尻八幡宮付近が最高点です。
• - 中津原面: 愛川町中津に由来し、狭い範囲に分布しています。
• - 田名原面群: 相模原市中央区田名に由来し、主に四段の堆積面を形成しています。
• - 陽原面群: 小字名「陽原」から名付けられ、段階的に広がっています。

台地の西部には座間丘陵があり、この地区は高い標高を誇ります。台地の南西には高座台地も存在し、こちらは海成砂礫によって形成された堆積面です。

相模野台地の歴史と発展

相模野台地は、元々水利が少なく広大な原野が広がっていました。このエリアは「相模野」と呼ばれ、草刈場として利用されていました。江戸時代には新田開発が進み、農業が発展しましたが、農業用地としては不適当な環境も多く、次第に開墾が行われました。

幕末から明治にかけては、養蚕が盛んになり、相模野台地は桑畑であふれかえりました。ところが、世界恐慌の影響で養蚕は衰退し、今度は近郊農業が成長しました。特に、東京や横浜などの市場に近い立地を生かして、野菜や畜産が発展しました。

昭和初期には、軍関係の施設が進出し、軍都計画が進められました。その後、この地域の都市化は進行し、戦後には多くの商業施設や住宅が建設されています。特に目を引くのは、旧軍施設が現在も利用されている点で、在日米軍の施設として転用されている場所も多く存在します。

工業の発展と現代の相模野台地

戦後の日本では、相模野台地は内陸工業地域へと変貌を遂げました。工場が進出し、相模原市や座間市は工業都市としての顔を持つようになりました。しかし、最近の産業構造の変化により、工場の撤退も進んでいます。それでも、土地の特性を生かして、大規模物流施設やデータセンターが誘致されています。

相模野台地は、自然環境と人々の歴史が密接につながる地域です。今後もその魅力が発信され、地域が発展していくことが期待されています。

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