相羽秋夫

相羽 秋夫

（あいば あきお、本名: 澤田 健一郎）

日本の演芸評論家、放送作家、そしてエッセイストとして知られる相羽 秋夫は、1941年9月20日に愛知県名古屋市で誕生しました。長年にわたり上方演芸の研究と評論に深く携わり、その普及・発展に貢献しています。また、大阪芸術大学芸術計画学科の元教授および学科長を務め、後進の育成にも尽力しました。日本笑い学会では副会長を務めています。

経歴と活動

1966年、同志社大学法学部を卒業後、松竹芸能に入社しました。当初は寄席の運営に携わるスタッフとして、また構成作家として活動しました。一時期は、当時人気を博した大村崑や正司敏江・玲児といったタレントのマネージャーも務めるなど、演芸界の現場で幅広い経験を積みました。

1978年に松竹芸能から独立し、フリーランスの上方演芸研究家としての道を歩み始めます。この頃から、演芸に関する評論やエッセイを精力的に執筆する傍ら、放送作家としても活動を続けました。特に、MBSテレビの長寿番組『すてきな出逢い いい朝8時』では構成作家を担当し、番組制作の裏方として手腕を発揮しました。また、若手漫才師の登竜門として知られる「M-1グランプリ」では、第1回（2002年）から第6回（2007年）までの大阪予選において、審査員として才能を見極める役割を担いました。

ペンネームと教育活動

現在の「相羽 秋夫」というペンネームは、当初使用していた「相羽（あいう） 恵夫（えお）」から改名したものです。松竹芸能からの独立と同じ頃、大阪芸術大学に非常勤講師として招かれました。その後、専任教授に昇進し、芸術計画学科の学科長を歴任するなど、教育者としてのキャリアも築きました。学科長在任中の2004年には、当時関西テレビの人気アナウンサーだった桑原征平氏を客員教授として大学に迎え入れました。この縁は深く、桑原氏が司会を務めたKBS京都と関西テレビ☆京都チャンネル共同製作のテレビ番組『桑原征平のおもしろ京都検定』には、たびたび回答者として出演しました。現在も、桑原氏がパーソナリティを務めるABCラジオの番組『桑原征平粋も甘いも』には、年に数回ゲストとして登場し、親交を続けています。

大阪芸術大学では、2012年3月末日に退官するまで、実に25年間にもわたり教壇に立ち、多くの学生を指導しました。

グルメと著作

相羽氏はグルメに関しても深い造詣を持ち、食と演芸を結びつけた活動も行っています。例えば、毎日新聞大阪版夕刊に連載されたコラム「落語を食べる」では、落語の噺に出てくる食べ物などをテーマに独自の視点を展開しました。このコラムは人気を博し、1996年度下半期には、MBSラジオで同名の番組が放送され、自らパーソナリティを務めました。

退官後も大阪を拠点に、上方演芸研究家・評論家としての活動を精力的に続けています。

主な著書

演芸に関する多数の著書があります。以下はその一部です。

• - 『現代上方演芸人名鑑』
• - 『現代上方落語人録』
• - 『上方落語かたいれ事典』
• - 『らくごまんだら』
• - 『落語入門』
• - 『なにわの女芸人』
• - 『上方漫才入門』
• - 『落語を食べる』シリーズ
• - 『落語入門百科』
• - 『漫才入門百科』
• - 『暮らしの中の芸能用語』
• - 『上方お笑い系365日』
• - 『心にしみる大阪の歌』

また、「相羽秋夫のお笑い食べまくり」といったコラム連載や、自身のウェブサイト「相羽秋夫の笑待席」などを通じて情報発信を行っています。

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