真岡井頭温泉

真岡井頭温泉：健康と癒しのオアシス

栃木県真岡市下籠谷に位置する真岡井頭温泉は、1996年5月11日に開湯した市民の健康増進を目的とした温泉施設です。愛称は『いちごの湯』として親しまれており、温浴施設「真岡市健康増進施設真岡井頭温泉」と宿泊施設「真岡市勤労者研修交流施設井頭温泉チャットパレス」から構成されています。井頭公園に隣接しており、自然豊かな環境の中で心身ともにリラックスできる空間を提供しています。

温泉の特徴

地下1500mから湧出する温泉水は無色透明で、塩分を多く含むのが特徴です。この温泉は、太古の海水が地熱によって温められた化石水型温泉であり、火山性温泉ではありません。そのため、入浴後は体が温まりやすく、冷めにくいと評判です。

効能は多岐にわたり、神経痛、筋肉痛、皮膚病、火傷、切り傷、疲労回復などに効果があるとされています。当初の源泉に加え、2015年にはより豊富な湧出量を誇る第2源泉の掘削も完了し、さらに多くの入浴客を受け入れることができるようになりました。塩分濃度の高さから過去には温泉水の濁りなどのトラブルもありましたが、現在は安定した供給体制が整っています。

温浴施設

「真岡市健康増進施設真岡井頭温泉」は、北関東最大級の公営日帰り入浴施設として知られています。7種類の浴槽が用意されており、内湯の大浴場、露天風呂、圧注浴、薬湯など、多様なニーズに対応した設備が充実しています。露天風呂は日本庭園の中に設けられ、大きな岩に囲まれた、屋根付きの落ち着いた空間です。薬湯は、高麗人参風呂と薬石風呂（ラジウム湿浴、トルマリンと天寿石を使用）を週替わりで提供しており、利用者は毎回異なる入浴体験を楽しむことができます。

温浴施設は、健康増進を目的とした施設として、浴槽やバーデプールの他に、レストラン、大広間、リフレッシュコーナー、仮眠室、トレーニング室なども備えています。大広間には和室とソファやハンモックのある中広間があり、トレーニング室ではヨガやグループパワーなどのエクササイズプログラムも提供されています。60歳以上の高齢者が利用者の多くを占め、70歳以上の市民には温泉招待券が交付され、月1回無料での利用も可能です。

宿泊施設

温浴施設に隣接する「真岡市勤労者研修交流施設井頭温泉チャットパレス」（愛称：いちごチャットパレス）は、労働者や市民の交流拠点として2000年に開業しました。4階建ての建物には18室の客室と大会議室があり、宿泊者はホテル内の大浴場と温浴施設の温泉を無料で利用できます。近年は、ワーケーションやリモートワーク需要に対応するため、館内Wi-Fi環境の整備や、日帰りプラン・素泊まりプランの設定も行っています。

その他の施設

2021年には、グランピング用テントとソロキャンプ場も開設されました。グランピングエリアは北欧風のベージュを基調とした内装で、エアコンや冷蔵庫、オーブンなどが完備されています。ソロキャンプ場は、ソロ利用者専用の区画となっており、静かな自然の中でキャンプを楽しめます。いずれも温浴施設の大浴場を利用できます。

周辺環境

真岡井頭温泉周辺には、井頭公園、農産物販売交流施設「あぐ里っ娘」、井頭観光いちご園など、多くの観光施設が集中しています。2020年には「井頭周辺エリア活性化協議会」が設立され、「いがしらリゾート」として一体的な地域活性化が進められています。真岡鐵道真岡線真岡駅から無料送迎バスも運行されているため、アクセスも良好です。

歴史と近年の取り組み

開館以来、多くの来場者数を誇る真岡井頭温泉ですが、近年は来場者数の減少にも直面しました。そのため、愛称の変更や、自社製饅頭の販売開始、バラ風呂イベントの開催など、集客のための様々な取り組みが行われています。新型コロナウイルス感染症の影響も受けましたが、今後も地域活性化の中核施設として、更なる発展が期待されています。

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