真木小太郎(まき こたろう、
1909年6月4日 -
1984年7月28日)は、日本の
舞台美術家や
衣裳デザイナーとして評判を博した人物です。明治42年に
茨城県で生まれた彼は、1927年に水戸一高を卒業後、東京へ移り住み、旧制・東京美術学校(現在の東京藝術大学)に入学しました。ここで彼は美術の基礎を学び、後の彼のキャリアに大きな影響を与えます。
1935年、真木は東京宝塚劇場に入社し、1年後には
日本劇場において衣裳や
舞台装置の制作に携わることとなります。この時期、彼はさまざまな公演に関与し、印象的な衣裳デザインを手がけました。1944年には、妻との間に息子・マイク真木が誕生しますが、その後、真木は第二次世界大戦の影響を受け、
東宝を退社しフリーランスとして独立しました。
真木の名を広めるきっかけとなったのは、1958年に大映東京撮影所で制作された
映画『
巨人と玩具』や、1959年の『孫悟空』といった作品です。これらの作品では衣裳のデザインや構成を担当し、多くの観客に彼の才能を印象づけました。また、
舞台美術においても、彼は『屋根の上のヴァイオリン弾き』などのミュージカルに携わり、特にその視覚的表現力が評価されています。
1975年には、俳優の
益田喜頓と共に第1回
菊田一夫演劇賞特別賞も受賞し、彼の功績は業界内でも広く知られるようになりました。しかし、真木は
1984年7月28日に75歳で亡くなりました。彼の死は日本の演劇界にとって大きな損失となりました。
彼の業績は
映画だけにとどまらず、
舞台における美術や衣裳のデザインなど多岐にわたります。多くの作品で真木の創造的な衣裳が見られ、彼のスタイルが日本の
舞台美術に大きな影響を与えました。また、彼の人生と業績は
舞台作品『
越路吹雪物語』にて描かれ、
草刈正雄が真木を演じる形で2003年に上演されました。
主な作品
- - 『巨人と玩具』(1958年) - 衣裳構成
- - 『不敵な男』(1958年) - 衣裳構成
- - 『最高殊勲夫人』(1959年) - 衣裳構成
- - 『孫悟空』(1959年) - 衣裳考証
- - 『氾濫』(1959年) - 衣裳構成
- - 『大盗賊』(1963年) - 衣裳デザイン
- - 『奇巌城の冒険』(1966年) - 衣裳デザイン
- - 『痴人の愛』(1967年) - 衣裳考証
真木小太郎の功績は今もなお、多くの
衣裳デザイナーや
舞台美術家たちに影響を与え続けています。彼の作品は、彼が抱いた美術への情熱を今に伝え、観る人々に感動を与えています。