奇巌城の冒険

映画『奇巌城の冒険』



『奇巌城の冒険』(きがんじょうのぼうけん)は、1966年4月28日に公開された東宝三船プロダクション制作の映画です。この作品は、鮮やかな色彩で描かれたシネマスコープの冒険映画であり、同時に上映された『喜劇 駅前漫画』とも注目されました。

概要


本作は、1963年の冒険映画大盗賊』と同じ路線を受け継ぎ、主要なスタッフやキャストも共通しています。物語の原案は、日本の著名な作家・太宰治による小説『走れメロス』からインスパイアを受けています。特に、多摩市桜ヶ丘に築かれた1万5千平方メートルの大オープンセットや、イラン・イスファファンでの撮影が行われたことから、迫力ある映像が特徴です。一部にはミニチュアセットも使用されていますが、特撮スタッフのクレジットには合成担当のみに限られています。

ストーリー


物語は、仏舎利を日本に持ち帰るために旅をする僧侶・円斎が主人公です。彼は奴隷として売られていた大男・大角と出会い、共にタクラマカン砂漠を旅する運命にあります。盗賊団による襲撃を受けた彼らは、静謐なオアシスの町を訪れ、地下に埋もれた窟寺から仏舎利を手に入れることに成功します。

その後、仏舎利を日本へ送るためコータンへ向かう一行は、人間不信の王が支配するペシルに到着します。そこで、円斎は王の命令で捕らえられてしまいます。逃げ延びた大角は、円斎たちを助けるために城に潜入しますが、その道中で様々な困難に直面します。

大角は、城の中で王の家臣たちの中に砂漠で出会った盗賊団の首領ゴルジャカを見つけますが、運悪く彼も捕らえられ、王から火あぶりの刑にされる運命に。しかし、彼は円斎を拘置することを条件に猶予を求めます。もし約束の日までに大角が戻らなければ、円斎が代わりに処刑されることになります。

大角は仏舎利を持ってコータンに向かい、さまざまな妨害や危機に直面しつつも、何とか仏舎利を託すことができました。しかし、その帰路でゴルジャカの盗賊団に襲われ、谷底に突き落とされてしまいます。約束の日の昼前、瀕死の状態で戻った大角は、王の意向によって円斎の処刑が進められる直前に姿を現しました。

ゴルジャカは、大角を目の前で殺させるよう仕向けるものの、ペシルの人々は彼の勇気を讃え、彼を守ることを決意します。一方、王も大角の献身に心を打たれ、最後には二人を解放することに決めました。

キャスト



制作スタッフ



その他の情報


この映画のオープンセットは、後に特撮テレビドラマ『ウルトラマン』第7話の撮影にも使用されました。また、伊福部昭は本作と並行して大映の『大魔神』の音楽も担当しており、両作品の制作には多忙を極めたことが窺えます。2015年には、本作がDVD化されるなど、長年にわたって多くのファンに親しまれてきました。

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