真聖女王

真聖女王（しんせいじょおう）

真聖女王（生年不詳 - 897年12月31日）は、新羅下代における唯一の女王であり、新羅全体で見ても3番目にして最後の女王です。彼女の治世は887年から897年までの約10年間で、日本の平安時代、宇多天皇の時代と重なります。

生涯

真聖女王は金氏であり、諱は曼または垣と伝えられています。景文王の娘として生まれ、憲康王と定康王の妹にあたります。定康王が在位わずか1年で病に倒れた際、彼の遺言により妹である金曼が女王として即位することになりました。

『三国史記』によれば、真聖女王は即位以前から叔父にあたる角干の金魏弘と愛人関係にあり、即位後も彼を常に入内させ重用しました。金魏弘が亡くなると、恵成大王という諡号を贈っています。その後は、美貌の青少年を密かに宮中に引き入れ、彼らと不適切な関係を持ち、要職に就けて国政を委ねたため、国の綱紀は大いに乱れたとされています。

治世とその後

真聖女王の治世下では、国内各地で反乱が頻発し、後三国時代の幕開けとなりました。治世11年目には、女王自身が「盗賊の蜂起は、わが不徳の致すところである」と宣言し、王位を「太子」に譲位しました。その年の12月、女王は金城（現在の慶州）の北宮で崩御しました。

真聖女王の後を継いだ孝恭王は、実子ではなく憲康王の庶子でした。孝恭王もまた子を残すことなく亡くなり、憲康王の娘（庶子）と結婚した朴景暉が国人の推戴により即位し、神徳王となりました。その後、景明王、景哀王、敬順王と続き、935年に新羅は滅亡しました。

『三代目』

『三国史記』によると、真聖女王の2年（888年）に、金魏弘と大久和尚に郷歌の編纂を命じ、『三代目（サムデモク）』という歌集を編纂させたとされていますが、残念ながら現代にまでは伝わっていません。

真聖女王の治世が後世に与えた影響

真聖女王の治世は、新羅の衰退を加速させた一因として歴史に記録されています。彼女の政策や私生活における行動は、国の綱紀を緩め、社会の混乱を招いたと評価されています。一方で、彼女の治世は、新羅が滅亡へと向かう時代の転換点として、後世に大きな影響を与えました。

参考文献

「アジア人物史 3」 集英社 2023年

関連項目

新羅の入寇（寛平の韓寇）
* 千年湖

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