真言宗山階派

真言宗山階派について

真言宗山階派は、日本における真言系仏教の一派として、古義真言宗に属します。この宗派の大本山は、京都市山科区に位置する勧修寺です。宗祖は弘法大師空海であり、その教えを基に活動しています。

宗紋と寺格

この宗派の宗紋には裏八重菊が用いられています。寺格は以下のように分けられています：

• - 大本山：勧修寺（京都市山科区）
• - 別格本山：田福寺（和歌山市）
• - 準別格本山および一般寺院も含まれています。

歴史的背景

真言宗山階派の歴史は、勧修寺の創建にさかのぼります。勧修寺は905年に醍醐天皇の国母、藤原胤子の発願により設立されました。当初、外戚の宮道氏の邸宅を伽藍とし、承俊が開山となったことから始まります。この寺院は、907年には真言宗と三論宗の修行道場としての地位を確立しました。

918年には、済高が長吏に任ぜられたことにより、勧修寺はさらなる発展を遂げました。以降、皇室の保護を受け、多くの名僧がこの寺から輩出されました。特に、7世の寛信は勧修寺流を開いており、その影響は現在にも及んでいます。

鎌倉時代の末期には、後伏見天皇の第7皇子である寛胤法親王が勧修寺に入寺し、以降、明治維新に至るまで代々の長吏には皇族から親王が任命されました。32世の済範法親王が最後の宮門跡として知られています。

室町時代には、1470年に伽藍が兵火に焼失するという試練がありましたが、その後復興しました。豊臣秀吉の命令には従わず、寺領が減封され、さらには境内地の改変が続きました。江戸時代に入り、寛永年間から再建が本格化し、1682年には霊元天皇の親王が29世長吏に就任し、寺領も増加しました。

明治時代の変遷

明治時代には、政府の宗教政策の影響で、1869年には他の真言宗派と合同し、東寺の傘下に入りました。1986年には長者候補となり、事相本山の地位を得ました。1901年には真言宗古義派の四派連合に参画しましたが、1907年には勧修寺を本山とする独立した真言宗山階派として再出発しました。1941年の政府の方針により、他の宗派と合同し大真言宗が設立されましたが、戦後の1952年に再度独立し、現在の真言宗山階派となります。

組織と行事

勧修寺の歴代長吏には承俊や済高、寛胤法親王など、多くの僧侶が名を連ねています。

宗務組織は、管長が勧修寺門跡に就任し、宗務所は勧修寺内に設置されており、宗議会は公選議員と特選議員で構成されています。

年中行事としては、修正会（1月1日）、節分会（2月）、御影供・彼岸会（3月）、宗祖弘法大師降誕会（6月）、盂蘭盆会（8月）などがあります。

教育機関と施設

教義は古義真言宗に準じています。勧修寺事相研究所や勧山学院、また種智院大学などが協同経営されており、洛南高等学校・附属中学校もその一環として存在しています。

勧修寺には勧山学院山階文庫や近畿身体障害者補導所などの施設も併設されており、地域社会への貢献も行っています。

このように、真言宗山階派は歴史と伝統を重んじ、地域に根ざした活動を続けている仏教宗派です。

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