修正会

修正会（しゅしょうえ）は、仏教寺院で毎年1月に行われる伝統的な法会で、修正月会とも呼ばれます。

概要

この法会は、過ぎ去った一年を振り返り、自身の行いを反省することで悪しきを正し、新たな年の始まりにあたり、国家の安泰や五穀豊穣などを祈願することを目的としています。人々の平和な暮らしを願う、非常に重要な行事です。期間は基本的に7日間とされていますが、寺院や地域によってその長さは異なります。また、追儺（ついな）の儀式として、鬼追式などの行事が行われることもあります。これは、人々に災いをもたらす鬼を追い払い、新年を清らかな気持ちで迎えるためのものです。

修正会は、単なる宗教的な儀式にとどまらず、地域社会の繋がりを深める役割も果たしています。人々が集まり、共に祈り、語り合うことで、一体感が生まれます。また、伝統文化を継承する場としても重要な意味を持っています。

歴史

日本における修正会の起源は古く、奈良時代に遡ります。759年（天平宝字3年）以前から、官立の大きな寺院などで、吉祥天（きっしょうてん）を本尊とする悔過会（けかえ）が行われていました。悔過会とは、過去の罪や過ちを懺悔し、改めることを目的とする法会です。767年（神護景雲元年）からは、国分寺においても吉祥天悔過会が行われるようになり、全国に広まっていきました。

平安時代に入ると、修正会はさらに発展を遂げます。827年（天長4年）には、平安京の東寺・西寺において、薬師如来（やくしにょらい）を本尊とする悔過会が行われるようになりました。薬師如来は、人々の病気を治し、健康を守る仏として信仰されています。この頃から、修正会は、人々の健康長寿を祈願する意味合いも持つようになりました。

時代が下るにつれて、修正会は様々な形に変化していきました。寺院によっては、独自の儀式や行事を加えるなど、地域色豊かな修正会が生まれています。しかし、その根本にあるのは、前年の反省と新年の祈願という、変わらぬ精神です。

現代においても、修正会は多くの寺院で大切に受け継がれています。人々の暮らしや価値観が変化しても、修正会は、私たちに心のあり方を問い、新たな気持ちで未来に向かう力を与えてくれるでしょう。

関連項目

後七日御修法（ごしちにちみしほ）
修二会（しゅにえ）
* 陀々堂の鬼はしり（だだどうのおにはしり）

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