瞿秋白

瞿秋白（くしゅうはく）

瞿秋白は中華民国初期の革命家、散文作家、そして文学評論家として知られており、中国共産党の初期の指導者の一人でもあります。彼はいくつかの名前を持ち、号は熊伯や雄魄としても知られています。

生涯

出自と幼少期

江蘇省常州府宜興県に生まれた瞿秋白は、代々官職を務める家系に育ちました。しかし、家族は経済的な困難に直面し、母の自殺や父の家出など悲劇的な出来事に見舞われます。彼は幼少期から学業に励みましたが、家計の逼迫により何度も転校を余儀なくされました。最終的には母方のおじの援助を受けながら漢口の学校で英語を学ぶことになりました。

ロシア文学生としての活動

1917年、瞿秋白は北京へ上京し、その後ロシア語専修館で学ぶことになります。1919年には五四運動に参加し、マルクス主義研究会に入会。数ヶ月後の抗議デモで逮捕されるも、すぐに釈放されました。これは彼が革命運動に本格的にコミットするきっかけとなります。

モスクワから上海へ

1920年にはモスクワに派遣されるようになり、旅行記を執筆するなど文筆活動を盛んにしました。1921年には中国共産党に加入し、党内での活動を本格化させます。上海大学で教務長として教鞭をとりつつ、党の宣伝活動にも従事しました。1924年には国民党第一届大会に参加するなど、政治活動も行いました。

中共の指導者としての役割

1927年に上海クーデターが発生し共産党が困難な状況に直面すると、瞿秋白は新たな指導者として任命されます。彼は陳独秀の後を受けて共産党の最高指導者となりますが、彼のスタイルはあくまで穏やかで、強引な統治は行いませんでした。様々な蜂起が失敗に終わる中で、彼のリーダーシップを巡る批判も高まりました。

上海での晩年と文学活動

1931年には中共指導者の職を解かれ、上海に戻ることになります。健康上の問題に悩まされつつも、彼は文芸活動を続け、魯迅との深い交流を通じて左聯文学運動に参加しました。彼は鲁迅とともに新しい文学を模索しながら、社会批判に取り組みましたが、結局は彼の考えに共鳴する者と批判する者が交錯しました。

最期とその後

1934年には共産党ソビエト区の本拠地に移り、そこで閑職に就くことになりますが、1935年に国民政府軍に捕らえられ、最後は銃殺にされました。拘留中には文化人としての政治参与について考察を残しており、その心境は後に出版されることとなりました。

彼の死後、文化革命の影響を受けその評価が著しく変わることとなった瞿秋白ですが、1980年に名誉回復され、その功績は再評価されています。彼の複雑で波乱に満ちた人生は、文学と政治の交差点での挑戦と葛藤を象徴するものでした。

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