矢内博

矢内 博：船橋競馬場のレジェンド、騎手から調教師へ

1956年1月10日、北海道苫小牧市に生まれた矢内博氏は、船橋競馬場を舞台に騎手として華々しい活躍を続け、その後は調教師として後進の育成にも力を注いだ人物です。A型という血液型からも、几帳面で緻密なレース運びが想像できます。騎手時代は、鮮やかな胴白・赤玉霰、袖桃の勝負服で多くのファンを魅了しました。

華麗なる騎手時代：地方競馬での輝かしい軌跡

矢内氏の騎手人生は、凾館政一厩舎からスタートしました。1972年10月20日、ヒサヤマヨシに初騎乗を果たし、同日にはイクセルプリンスで初勝利という鮮やかなデビューを飾ります。その後、地方競馬で長きに渡り活躍。10023戦という多くのレースを経験し、891勝、2着939回、3着1002回という輝かしい成績を残しました。勝率8.9%、連対率18.3%という数字からも、その実力の高さが伺えます。地方競馬のスターとして、数々の名馬に騎乗し、多くの勝利を掴みました。

中央競馬への挑戦もありました。1999年6月13日、東京競馬場で行われた菖蒲ステークスにアスキットマジックで騎乗。15頭立てのレースで13着という結果に終わりましたが、中央競馬の舞台を経験したことは、貴重な経験となったことでしょう。

騎手生活2008年5月31日をもって引退。地方競馬での活躍は、多くのファンに記憶されています。

調教師への転身：新たなステージでの挑戦

騎手引退後、矢内氏は新たな目標である調教師への道を歩み始めます。2008年5月21日、調教師試験に見事合格。同年6月1日には調教師免許を取得。矢野義幸厩舎で技術調教師として研鑽を積み、2008年12月15日、船橋競馬場に自身の厩舎を開業しました。当初は10馬房からスタートした厩舎は、矢内氏の指導の下、着実に成長を遂げていきます。

2008年12月31日、管理馬ライトムーンが初出走。本橋孝太騎乗で2着という好成績を残し、厩舎の未来を明るく照らしました。そして2009年1月8日、開業わずか4戦目で、コスモデガジェに騎乗した町田直希騎手が勝利をもたらし、矢内氏調教師としての初勝利を飾りました。2020年2月20日時点での通算成績は1458戦100勝、2着152回、3着160回。勝率6.9%、連対率17.3%という数字からも、調教師としての力量の高さが分かります。

名馬との出会い：騎手時代の主な騎乗馬

矢内氏の騎手時代を彩った名馬たち。トーシンイーグルと共に1991年のゴールドカップ、東京湾カップ、1992年の川崎記念を制覇。ケーエフネプチュンと共に1994年の関東オークス、東京プリンセス賞、エンプレス杯、ロジータ記念、1995年の報知グランプリカップ、トゥインクルレディー賞、NTV盃を制覇するなど、数々のタイトルを獲得しました。これらの名馬との出会いは、矢内氏の騎手人生において大きな転換点であり、多くの感動と記憶を残しました。

船橋競馬場の未来を担う存在

矢内博氏は、騎手として、そして調教師として、船橋競馬場、ひいては地方競馬の発展に大きく貢献しました。その功績は、多くの関係者やファンによって長く語り継がれることでしょう。彼の経験と知識は、今後の地方競馬界を担う若手育成にも役立つものと期待されます。地方競馬の未来は、矢内氏のようなベテランの指導の下、明るい展望が開けることでしょう。

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