矢島正明

矢島正明について

矢島正明（やじま まさあき）は、1932年4月17日生まれの日本を代表する声優およびナレーターです。東京府（現在の東京都）出身で、プロダクション・エコーに所属し、数多くの作品に携わってきました。彼のキャリアは、幼少期からの影響を受け、地域の子供たちに紙芝居を読み聞かせていたことから始まります。中学時代には軽演劇に没頭し、高校ではストリップ劇場に通うなど、早くから舞台表現に魅了されました。

大学では明治大学文学部演劇学科に在籍し、自身の声に対する可能性を見出した矢島は、放送研究会に参加します。1953年には劇団生活舞台に入り、1957年まで活動し、初舞台を飾りました。その後、1955年にはプレイヤーズ・センターに所属し、1957年には劇団テアトル・エコーに加入。日本における吹き替え作品の先駆けとも言える作品に携わり始めました。初めての吹き替え作品は、ラジオ東京テレビの『海賊船サルタナ』でした。

1967年には自身の製作会社「矢島プロダクション」を設立し、以降はフリーとして活動を続けていきます。彼の声は吹き替えアニメの草創期から現在にかけて多くの作品に登場し、特に1980年代には日産自動車のCMやスタジオジブリの映画のナレーションで知られました。また、ラジオやテレビ番組、ドキュメンタリー、CMなど、多様な媒体でもナレーターとしての存在感を発揮しています。

1975年には三羽烏として名を挙げ、黒沢良、城達也と共に活躍しました。ナレーションのスタイルを確立し、さまざまなクイズ番組では出題者としても知られています。2011年には声優アワード功労賞を受賞し、専門学校で指導するなど後輩の育成にも尽力しています。2016年には「現在の吹き替えに物足りなさを感じる」と語り、後進の声優にはより多くの作品に触れて経験を積んでほしいとのメッセージを送りました。

90歳を超えた現在も、矢島は劇団一の会で卒寿記念の朗読公演を行うなど、現役で活動を続けています。彼は、声優という職業に対する真摯な姿勢を持ち続け、作品に対して常に高いレベルを求める姿勢が特徴です。

矢島正明の代表的な作品

矢島の吹き替えの代表作には、ウィリアム・シャトナーのカーク船長や、ロバート・ヴォーンのナポレオン・ソロなどがあります。さらに、アニメ『鉄腕アトム』のヒゲオヤジや、クイズ番組『ベルトクイズQ&Q』の出題者としても知られています。多くの映画やテレビドラマ、CMなどに登場し、その独特の声で多くの人に愛されています。

彼のキャリアは、声優業界の発展と共に歳月を重ね、多くの作品に貢献してきた成果であり、今後もその活動は続いていくでしょう。

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