矢板大田原バイパス

矢板大田原バイパス

矢板大田原バイパスは、栃木県矢板市から那須塩原市にかけて建設が予定されている国道4号のバイパスです。このバイパスは、慢性的な交通渋滞の緩和、地域経済の活性化、そして災害時の緊急輸送路としての機能強化を目的としています。

概要

起点: 栃木県矢板市針生（土屋交差点）
終点: 栃木県那須塩原市三区町（二区交差点）
延長: 7.8 km
規格: 第3種第1級
標準道路幅員: 22.0 m
車線数: 4車線
車線幅員: 3.5 m
設計速度: 80 km/h

背景

栃木県内の国道4号は、県都宇都宮市を中心に、その南側が新4号国道として6車線で整備されています。また、宇都宮以北でも北宇都宮拡幅や氏家矢板バイパスが整備され、埼玉県境から矢板ICにかけて約65 kmの区間は連続して高度な移動が可能となっています。

しかし、矢板市から大田原市、那須塩原市を経て那須町に至る県北部分では、国道4号の現道が往復2車線区間となっており、交通容量の不足による混雑や渋滞が発生し、沿線環境の悪化や交通事故の増加が問題となっています。

特に、野崎工業団地周辺の約8 km区間では、渋滞により定時性が損なわれ、企業活動に支障が出ています。また、那須塩原市や大田原市は県内有数の農業地帯であり、生鮮食品の輸送遅延は競争力低下を招いています。さらに、県北地域唯一の三次医療施設である那須赤十字病院への救急搬送にも影響が出ており、緊急時の搬送に支障をきたす可能性が懸念されています。

計画の目的と効果

矢板大田原バイパスの建設は、これらの問題を解決し、地域全体の交通網を再構築することを目的としています。隣接する矢板拡幅や西那須野道路と一体的に整備することで、栃木県北部のネットワークの根幹を形成し、県内全域をカバーする広域バイパスとしての役割を果たすことが期待されています。また、東北自動車道の混雑時や通行止めの際には、迂回路としての機能も期待されています。

沿革

道路整備にあたり、地域住民や関係団体を対象としたアンケートが2回実施されました。1回目のアンケートでは、現道の渋滞や通行止めに対する不満が多く寄せられ、新たな道路整備の必要性が確認されました。2回目のアンケートでは、ルート選定において交通混雑の緩和や災害時の緊急輸送道路としての機能が重視されました。

これらの意見を踏まえ、国土交通省宇都宮国道事務所は、箒川渡河部から石上小学校周辺をバイパス整備し、残りの区間は現道2車線を拡幅する案を選定しました。この案は、社会資本整備審議会でも了承され、その後、測量や道路の詳細設計、環境影響評価等の手続きが進められました。

2019年3月には、社会資本整備審議会にて新規事業化が妥当と判断され、2019年度から事業が開始されました。宇都宮国道事務所によれば、事業初年度は約5000万円の事業費が当てられ、地形測量を実施するとしています。

2024年2月には、都市計画事業の承認及び認可が告示されました。

今後の展望

矢板大田原バイパスの完成により、地域住民の生活の質が向上し、経済活動が活性化することが期待されます。また、災害に強い安全な道路ネットワークが構築されることで、地域の防災力も強化されるでしょう。

関連項目

日本のバイパス道路一覧
関東地方の道路一覧

外部リンク

* 国土交通省 宇都宮国道事務所

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