石垣 (海防艦)

海防艦石垣

海防艦石垣は、日本海軍が1939年8月から1941年2月にかけて建造した艦船です。その名前は沖縄県の石垣島に由来しています。もともとは軍艦籍にありましたが、1942年7月に海防艦に類別変更され、占守型海防艦の4番艦に位置付けられました。この艦は主に北東方面海域、大湊以北で行動していました。

建造と艦歴

石垣は1939年8月15日に玉造船所で起工し、1940年9月14日に進水、1941年2月15日に完成しました。初代艦長には藤谷安宅中佐が就任しました。艦の本籍は舞鶴鎮守府に置かれ、主に警備任務を担当しました。

石垣の主な任務は、北東方面における哨戒や護衛活動であり、1943年10月にアメリカの潜水艦S-44を撃沈する戦果を挙げています。その後も活動を続け、1944年1月から2月には内地とトラック泊地の間で護衛任務を行いました。

1944年5月31日、石垣は松輪島周辺でアメリカの潜水艦ヘリングによる雷撃を受け沈没しました。この沈没は、占守型海防艦の中で唯一の戦没事例となります。沈没した同日に、石垣を攻撃したヘリングも松輪島の陸上砲台の攻撃を受け沈没しました。

戦争における役割

太平洋戦争開戦時、石垣は千島防備部隊に所属し、様々な任務を遂行しました。その任務の一環として、ソ連船の臨検や、座礁した艦船の救助活動も行っています。特に1943年には、哨戒任務を通じて連合軍の動きに対する警戒を行いました。艦の行動は、当時の日本海軍にとって重要な役割を果たしました。

最後の航海

石垣の最後の航海では、松輪島近くを航行中に濃霧の中でヘリングの雷撃に遭いました。魚雷が艦首に命中し、艦は沈没しました。この時、艦内にいた167名の乗組員のうち、1名だけが救助されました。

中佐の瀬戸末吉は沈没当日、本艦の艦長としてこの戦闘で戦死しました。艦長の下した指示や乗組員の行動は、石垣の歴史において重要です。

結び

海防艦石垣は、その建造から沈没に至るまで、太平洋戦争における日本海軍の艦艇の一つとして特筆すべき存在です。その名が付けられた石垣島と共に、歴史に名を刻む艦艇として忘れられることはないでしょう。

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