石城山

石城山（いわきさん）

石城山は、山口県光市と熊毛郡田布施町にまたがる標高362メートルの山です。山口県立自然公園に指定されており、石城山県立自然公園の中心となる山で、別名「西ノ富士」とも呼ばれています。中国百名[[山]]の一つにも数えられ、その美しい姿は多くの人々を魅了しています。

概要

山頂付近にはキャンプ場、石城神社、第二奇兵隊士首置松跡、日本神社などがあり、自然と歴史が融合した場所となっています。

特に注目すべきは、8合目付近に存在する古代山城（神籠石系山城）跡である石城山神籠石です。7世紀頃に造られたこの神籠石は、花崗岩の切石が約2600メートルにわたりベルト状に取り巻いており、その規模と歴史的価値から国の史跡に指定されています。

石城山には5つのピークがあり、最高峰の高日ヶ岳のほか、鶴ヶ峰、築山、星ヶ峯、大峰が連なっています。それぞれのピークからは異なる景色を楽しむことができ、登山者にとって魅力的なスポットとなっています。

歴史

中世以前、石城山周辺は海であったという言い伝えがあります。現在の柳井市柳井湾から田布施町城南地区を経由して平生町の平生湾に至る室津半島の付け根付近の平野部は、かつて古柳井水道と呼ばれる海峡であり、熊毛半島は島であったと推定されています。この古柳井水道は、中国大陸や朝鮮半島・九州から畿内へ至る航路として重要な役割を果たしていました。

古墳時代にあたる3世紀末から7世紀頃にかけて、石城山を含めた古柳井水道推定地周辺には、国森古墳や白鳥古墳など、有力な地域首長の存在を示す古墳が複数築造されました。この首長勢力は「熊毛王国」と表現されることがあります。この勢力は当地の海運を掌握して繁栄し、一説には大和王権に脅威を与えるほどであったとも言われています。

熊毛半島東岸の黒島浜遺跡からは翼状剥片が出土しており、後期旧石器時代にはすでに人がこの地に暮らしていたと考えられています。また、石城山南麓の田布施町城南地区から柳井市にかけて、県内でも多くの遺跡が集中しており、この地域が古くから人々の生活の中心であったことを物語っています。

名称の由来

石城山の名前の由来には諸説あります。山全体が古代山城跡であることから「石の城の山」と呼ばれるようになったという説が有力です。この名前は、この山の歴史的な背景を象徴しています。

主な観光名所

石城山神籠石関連

神籠石

神籠石は、7世紀頃に造られたとされる巨石を帯状に並べた構造物で、山の中腹から8合目あたりを約2600メートルにわたり取り囲んでいます。花崗岩の切石で構成され、その壮大な規模は訪れる人々を圧倒します。国の史跡に指定されており、その歴史的価値は非常に高いです。

東水門（山姥の穴）・北水門（山姥の穴）

神籠石には、山姥伝説が残る穴が設けられています。これらの穴にまつわる「山姥伝説」は、かつて山姥が里人に祭りのための膳椀を貸していたという物語です。しかし、借りた者が一部の器を紛失したことから、貸さなくなったと伝えられています。

西水門

南水門

石城神社境内および摂社

随身門

現在は石城神社の門となっている随身門は、もとはこの地にあった神護寺の仁王門でした。歴史的な変遷を感じさせる建造物です。

石城神社

石城神社の創建年代は不明ですが、「石城神社縁記」によると、飛鳥時代の敏達天皇3年（574年）に、吉備屯倉の津史が当地に来て「石城宮」の勅額を石原男登世彦に授けたのが起源とされています。この勅額は現在も保存されており、由緒ある神社であることがうかがえます。奈良時代には社務を管掌するための社坊である神護寺が設けられ、延喜式神名帳にも記載されている古社です。現在の本殿は春日造で、室町時代に大内政広によって再建されました。本殿は国の重要文化財に指定されています。

第二奇兵隊士首置松跡

幕末に結成された奇兵隊の中でも、石城山には第二奇兵隊約300名が駐屯していました。山頂には本陣跡や兵舎跡、火薬庫、練兵場跡などが残っており、歴史を偲ぶことができます。

須賀社

荒神社

宇和奈利社

若宮社

高日神社（妙見社）

宗教団体・神道天行居の神社

日本神社

君が代の歌詞に登場するさざれ石が置かれています。

磐山神社

五十猛神社

物部神社

葦原神社

石城島神社

天龍神社

柳井テレビ・FM中継放送所

石城山には、柳井テレビ・FM中継放送所があります。山口放送は2016年にFM補完中継局を開局しました。

アクセス

鉄道・徒歩

JR山陽本線岩田駅から県道161号岩田停車場線、県道68号光日積線、県道63号下松田布施線を経由し、山口県道160号石城山公園線に入ります。岩田駅から徒歩約90分です。

バス

JR山陽本線岩田駅から光市営バス塩田線に乗車し、「須賀社」バス停が最寄りとなります。

車

山陽自動車道熊毛ICから県道8号徳山光線、県道63号下松田布施線を経由し、山口県道160号石城山公園線に入ります。

まとめ

石城山は、その歴史的背景、豊かな自然、そして多様な観光名所によって、訪れる人々を魅了する山です。古代からの歴史を感じながら、美しい自然の中で心身をリフレッシュできるでしょう。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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