神道天行居

神道天行居の概要

神道天行居（しんどうてんこうきょ）は、友清歓真（ともきよ よしさね）によって設立された新たな古神道系の宗教団体です。この団体は、しばしば秘密結社とも評価され、その本部は山口県熊毛郡田布施町の石城山のふもとに位置しています。現在もなお、ユダヤ陰謀論を信じており、「霊的国防」を提唱しています。また、他の宗教における信者は「同志」、教師は「道士」と呼ばれます。

先達

この団体の先達は、主に友清歓真に「太古神法」を伝授したとされる堀天龍斎です。その他にも、本田霊学を創設した本田親徳や、幽冥界（死者の世界）を往来したとされる宮地水位、そして堀天龍斎から「太古神法」を受け継いだ沖楠五郎がいます。さらに、河野至道の師である吉野山から登仙した山中照道寿真の存在も重要です。

教義・教理（神道霊学）

神道天行居の教義の中心は、堀天龍斎道人によって広められた古神道「太古神法」と呼ばれるもので、これを神道霊学と称しています。堀天龍斎の著書では、霊魂観や産土信仰については本田親徳の論を引用しており、また幽冥観や霊術に関する秘伝書の多くは宮地水位から引き継がれています。さらに、祈祷師本田亀次や九鬼盛隆の研究から独自の教義を形成しています。

経典

神道天行居での経典には、『古事記』『日本書紀』『古語拾遺』などの神典が含まれます。その他に、宮地水位の著作『異境備忘録』、1946年に制定された『山規七規』、友清歓真による生活心得『信條』も経典として重要です。著作の中でも特に『神道古義』や『信白文艸藁』が近年重視されています。

歴史

この宗教団体の起源は、友清歓真が1920年に設立した霊学の実践団体「格神会」です。1927年には石城山上で神示が与えられました。1931年には友清が宗主の地位を井口寅次に譲りますが、1934年の内乱を経て再び指導的な立場に戻ります。また、終戦直後には多くの信者が離脱し、新たな団体が生まれました。

終戦時の軍旗秘匿

終戦時、靖国神社には旧陸軍歩兵第321連隊の軍旗が展示されています。これは天行居の本部で秘匿され、連隊長の後藤中佐の判断で奉焼が行われました。この旗はその後複製され、靖国神社に奉納されています。

霊的国防

友清は、ユダヤ人による日本への攻撃から信者を霊的に守る「霊的国防」を提唱しました。これを実現するために、1927年から1952年にかけて各地に神璽が鎮められ、現在でも例祭が執行されています。特に白頭山天池の神璽が重要視されています。戦前は国家非常時の夜間修法も行われていました。

太古神法

友清による「太古神法」は、神事の根元を成す秘事で、天孫降臨以来、皇室に伝承されてきたとされます。この教えは友清によって堀天龍斎から受け継がれ、宗主と幹事長がその伝承を引き継いでいます。

その他

友清は大本信者であり、社会的な不安を煽り立てる言説を展開したとされます。神道天行居は今もその教えを信じ、多くの信者を抱えて活動を続けています。

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