石川倭

石川倭騎手：地方競馬を駆け抜ける若きホープの軌跡

1995年生まれの石川倭騎手は、北海道のホッカイドウ競馬に所属する人気騎手です。富山県出身で、祖父と競馬好きの父の影響を受け、幼い頃から競馬に魅せられてきました。富山市立呉羽中学校時代にはハンドボール部に所属する傍ら、乗馬を始め、騎手への道を歩み始めます。

地方競馬教養センター騎手課程第91期生として入学後、2013年に騎手免許を取得。北海道と金沢の所属先で迷った末、若い馬が多く乗り慣らしから経験を積めるという理由から北海道を選びました。同期には、大井の笹川翼騎手や名古屋の木之前葵騎手など、後に活躍する騎手たちが名を連ねていました。

2013年4月、門別競馬でデビューを果たすと、同年5月には早くも初勝利を挙げます。デビューイヤーは24勝を挙げ、翌2014年には57勝をマークし、北海道リーディング5位にランクイン。この活躍が評価され、NARグランプリ2014優秀新人騎手賞を受賞しました。

その後も活躍は続き、2014年9月にはイノセントカップを最低人気のコールサインゼロ号で制し、初重賞制覇を達成。若手騎手として頭角を現し始めます。しかし、2015年には調教中の落馬事故で左手小指を骨折するアクシデントに見舞われ、全日本新人王争覇戦を辞退せざるを得ない事態となりました。

2015年6月には地方競馬通算100勝を達成し、勢いは衰えず。同年11月からは2016年1月にかけて南関東で期間限定騎乗も経験しました。しかし、2015年12月には大井競馬場での落馬事故により第7胸椎圧迫骨折の重傷を負い、再び全日本新人王争覇戦への出場を断念。数々の困難を乗り越えてきました。

2016年8月には、JRA（日本中央競馬会）初騎乗を果たし、翌年にはJRA初勝利を挙げました。2017年8月にはJRA重賞初騎乗、翌週にはJRA初勝利を飾り、中央競馬での活躍も期待される存在となります。

2018年10月には門別競馬のエーデルワイス賞（JpnIII）でアークヴィグラスに騎乗し、交流重賞初制覇。着実にキャリアを重ね、2019年にはホッカイドウ競馬リーディングジョッキーを獲得。地方競馬でのトップジョッキーの座に登りつめました。

2020年11月には通算600勝を達成、2023年12月には中央競馬を含めた通算1000勝の大台に乗せました。

数々の重賞競走で勝利を収め、アークヴィグラス、ラッキードリーム、ゴライコウといった名馬にも騎乗。数多くの活躍馬を勝利に導き、その腕前は折り紙付きです。

石川倭騎手は、数々の困難を乗り越え、努力を積み重ねてきた結果、地方競馬界を代表する騎手へと成長しました。その卓越した騎乗技術と勝負師としての精神は、多くの競馬ファンを魅了し続けています。今後の活躍にも期待がかかります。

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