イノセントカップ

イノセントカップ：北海道地方競馬を彩った2歳重賞競走の歴史

イノセントカップは、北海道地方競馬において長年にわたり開催されていた2歳限定の重賞競走です。競馬ブックからの協賛を受け「競馬ブック杯 イノセントカップ」として知られていました。2001年の創設以来、多くのサラブレッドたちがその栄冠を目指し競走に挑んできましたが、2023年をもってその歴史に幕を閉じました。

競走概要と変遷

2001年、サラブレッド系2歳馬による重賞競走として門別競馬場でスタートしました。当初はダート1200mで行われましたが、翌年から旭川競馬場のダート1500mへと舞台を移し、2009年に再び門別競馬場に戻りました。

2012年からは、日本中央競馬会（JRA）による2歳認定競走（上級認定競走）に指定され、勝馬はJRAの認定馬となりました。この指定に伴い、賞金も増額され、競走の格付けが向上しました。

また、イノセントカップは、JRAのGI競走である朝日杯フューチュリティステークスへのステップレースとしての役割も担っていました。北海道地区を代表する2歳馬を決める選定競走として、多くの期待を集めていました。選定競走の役割は年によって他の競走が担うこともありましたが、2019年時点では再びイノセントカップがその役割を担っていました。

競走条件と副賞

イノセントカップの競走条件は、サラブレッド系2歳馬による地方競馬全国交流戦で、負担重量は定量（54kg）でした。2023年の賞金総額は400万円（1着）を筆頭に、2着112万円、3着84万円、4着56万円、5着28万円と設定されていました。

特筆すべき点として、イノセントカップは「スタリオンシリーズ競走」に指定されており、優勝馬の馬主には、人気種牡馬の種付け権利が副賞として贈られました。この副賞は、競走の魅力を高める大きな要素の一つでした。過去には、ジェイドロバリー、アグネスタキオン、ファルブラヴ、ロージズインメイ、ジャングルポケット、ハーツクライ、クロフネ、タートルボウル、ヘニーヒューズ、キングズベスト、エスケンデレヤなど、多くの著名な種牡馬の種付け権利が副賞として提供されてきました。2019年から2023年までは、シャンハイボビーの配合権利が副賞として贈られていました。

廃止とその後

2023年を最後に、イノセントカップは廃止されました。長きにわたり北海道地方競馬を代表する競走として、多くの名馬を輩出し、競馬ファンの記憶に深く刻まれました。その歴史と伝統は、地方競馬の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

歴代優勝馬

イノセントカップの歴史を語る上で、歴代優勝馬たちの活躍は欠かせません。多くの名馬が、この競走をステップに、さらなる高みを目指して走り出していきました。それぞれの優勝馬の記録は、地方競馬史に燦然と輝いています。（詳細は地方競馬全国協会の資料を参照ください。）

イノセントカップは、その歴史に幕を閉じましたが、北海道地方競馬、ひいては日本の競馬界に大きな足跡を残したことは間違いありません。その記憶は、競馬ファンたちの心に永遠に生き続けるでしょう。

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