石川総共

石川総共（いしかわ ふさとも）

石川総共は、江戸時代中期に活躍した旗本であり、保久石川家（総氏系石川家）の4代目当主です。

生涯

享保3年（1718年）、旗本である大久保総比の次男としてこの世に生を受けました。その後、伯父にあたる石川総朗の養子となり、石川家を継ぐことになります。享保17年閏5月2日（1732年6月23日）に養父である総朗が亡くなったため、家督を相続し、保久石川家の当主となりました。同年12月6日（1733年1月21日）には、将軍徳川吉宗に拝謁し、正式に旗本としての地位を確立しました。

総共はその後、火事場見廻役や御使番などの役職を歴任し、幕府の要職を担いました。延享元年12月（1745年1月）には、布衣の着用を許されるなど、その功績が認められました。しかし、延享2年8月9日（1745年9月4日）に病のため致仕し、一度は公務から退いています。

その後、家臣の不始末が原因で、総共は思わぬ苦境に立たされます。中小姓以下の従者に対して暇を出した際、宗家（伊勢亀山藩主の家）から派遣された従者まで家臣に任せて暇を出したことが問題視されたのです。この件により、宝暦11年11月18日（1761年12月13日）に逼塞（ひっそく）を命じられました。しかし、翌年2月7日（1762年3月2日）には赦免され、再び自由の身となりました。

安永4年9月11日（1775年10月5日）、総共は築地萬年橋の屋敷にてその生涯を閉じました。享年は不明ですが、旗本として、また石川家当主として、激動の時代を生き抜いた人物でした。

人物

石川総共は、幕府の役職を歴任したことから、実務能力に長けた人物であったと考えられます。また、家臣の不始末で処分を受けたものの、最終的には赦免されていることから、人柄も慕われていたのかもしれません。旗本としての責任を果たす一方、家臣の管理には苦労した様子が伺えます。

参考文献

『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家譜難波録』

関連項目

石川氏
石川源氏

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