石巻港

石巻港：歴史と復興の港湾

宮城県石巻市に位置する石巻港は、仙台湾（石巻湾）に面した歴史と活気に満ちた港湾です。江戸時代には、伊達藩のみならず北上川上流の南部藩の米の積み出し拠点として重要な役割を担っていました。当時、石巻港から江戸へ運ばれた米は「本石米」と呼ばれ、江戸で消費された米の約3分の1を占めるほど盛況を極めました。この時代の石巻港は、旧北上川河口に広がる内港を中心に発展しました。

高度経済成長期に入ると、石巻市の西部、釜地区に石巻工業港（日和港、外港）の建設が1960年から始まり、1967年に供用開始。その後、1998年には雲雀野地区も供用開始するなど、港湾施設の近代化が進みました。これにより、石巻港は内港と外港を併せ持つ多機能な港湾へと進化を遂げました。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、石巻港に甚大な被害をもたらしました。マグニチュード9.0の巨大地震とそれに続く大津波により、岸壁の損壊、土砂の流出、埠頭の沈降などが発生。港湾周辺の物流施設も壊滅的な被害を受け、石巻港は一時的に機能を停止せざるを得ない状況に陥りました。

震災からの復興は、関係者の並々ならぬ努力によって着実に進められています。現在、石巻港は「仙台塩釜港石巻港区」として再編され、内港地区、釜地区、雲雀野地区、大曲地区の4つの地区から構成されています。内港地区にはヨット係留地や、田代島、網地島、鮎川浜への離島フェリーが発着しています。釜地区には日和埠頭、大手埠頭、中島埠頭があり、雲雀野地区には雲雀野中央埠頭、雲雀野北埠頭、南浜埠頭が整備されています。

石巻漁港は、旧北上川河口の東側に位置する特定第3種漁港です。かつては河口両岸に魚市場が点在していましたが、1963年の第3次漁港整備計画に基づき、現在の場所に集約・整備されました。現在も石巻の豊かな漁業を支える重要な拠点となっています。

石巻港は、歴史と自然、そして復興の物語が織りなす、魅力的な港湾です。今後も、地域の経済発展と人々の暮らしを支える重要な役割を担い続けることでしょう。フェリーターミナルを利用する際は、飲食店が少ないため、事前に食料や飲み物を準備しておくことをお勧めします。

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