石林イ族自治県

石林イ族自治県について

石林イ族自治県は、中国雲南省の省都である昆明市に属する自治県です。昆明市の南東約78kmに位置し、雲貴高原の一部を形成しています。この地域は、特異なカルスト地形が広がることで知られており、その景観は世界的に高く評価されています。

地理と自然

石林イ族自治県は、その名の通り、石が林のように立ち並ぶ「石林」が最も有名な観光地です。この石林は、長年の雨水による浸食で形成されたもので、その奇妙な形は見る人々を魅了します。石林は「石林世界ジオパーク」に指定されており、中国の5A級観光地にも認定されています。また、貴州省茘波、重慶武隆と共に、中国南方カルストの一部として2007年にユネスコの世界遺産に登録されています。これらの地域は、地球の歴史と自然の驚異を物語る貴重な場所として保護されています。

歴史

この地域に初めて行政区が設置されたのは、紀元前111年の漢代まで遡ります。漢の武帝によって談藁県が設置されたのが、石林地域の行政の始まりとされています。その後、南詔や大理といった王朝の支配を経て、元朝時代には路南州が設置され、清朝末期までその行政区画が維持されました。

中華民国成立後の1913年には路南県が設置され、1956年には路南イ族自治県に改編されました。さらに1998年に現在の石林イ族自治県と改称され、今日に至っています。これらの変遷は、この地域が辿ってきた歴史と、多民族国家である中国の行政区画の変遷を物語っています。

行政区画

石林イ族自治県は、以下の行政区画で構成されています。

街道：鹿阜街道
鎮：西街口鎮、長湖鎮、圭山鎮
郷：大可郷

これらの区画は、それぞれが独自の文化と生活様式を保持しており、自治県の多様性を支えています。

交通

石林イ族自治県は、鉄道と道路の交通網が整備されており、アクセスは比較的容易です。

鉄道

南昆旅客専用線：（昆明方面）- 石林西駅 -（南寧方面）
南昆線：（昆明方面）- 石林南駅 - 石林駅 - 茂舎祖駅 - 西街口駅 - 宜耐駅 -（南寧方面）

道路

高速道路：汕昆高速道路、広昆高速道路
* 国道：G324国道、G326国道

これらの交通網は、観光客だけでなく、地域住民の生活を支える重要なインフラとなっています。

まとめ

石林イ族自治県は、その独特なカルスト地形と豊かな自然、そして長い歴史を持つ魅力的な場所です。石林の奇観は世界中の人々を魅了し、世界遺産としてもその価値が認められています。また、多様な民族が共存するこの地域は、文化的な側面からも注目に値します。交通の便も良く、訪れる人々にとって快適な旅を提供してくれるでしょう。

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