石林

石林（せきりん）

石林は中華人民共和国の雲南省石林イ族自治県に位置する、独特なカルスト地形です。この自然の驚異は、20から50メートルの高さを持つ柱状や剣状、またキノコ状や塔状の石灰岩が立ち並ぶ光景が広がっています。全体的に見ると、これらの岩々はまるで森林のように感じられるため、石林という名がつけられました。別名で路南石林や雲南石林と呼ばれることもあります。

概要

2004年には、石林は世界ジオパークネットワークに登録され、2015年以降はユネスコ世界ジオパークとしても認知されています。また、2007年にはユネスコの世界遺産「中国南方カルスト」の一部分としても登録されました。国内では1982年に国家級風景名勝区に、2007年には中国の5A級観光地にも認定され、その自然の美しさと重要性が広く認識されています。

石林は「大石林」と「小石林」の2つの区域に分かれており、それぞれ魅力のある風景を持っています。入り口には「石林」と刻まれた文字がありますが、これを書いたのは1931年に雲南省政府主席を務めていた竜雲です。また、路南イ族自治県もこの名所にちなんで、1998年に石林イ族自治県に改名されました。

形成過程

石林は古生代後期からの地質変化を示す典型的な地域であり、全体の面積は約350平方キロメートルと広大です。この石林が今の姿に至るまでのプロセスは非常に興味深いものです。かつてこの地域はデボン紀時代の海底であり、何千メートルもの石灰質の貝殻が堆積し、石灰岩と苦灰岩が形作られました。石炭紀とペルム紀には地殻が隆起し、その後に起きた浸食や風化によって、現在見られる独特な景観が形成されました。また、かつて海底だったため、多くの化石—サンゴや腕足類、頭足類、紡錘虫類—が残されています。

文化的背景

石林周辺の地域には、イ族の支族であるサニ人が長い間住み着いており、地域の文化に深く根ざしてきました。特に、サニ人の叙事詩である『阿詩瑪』の主人公・アシマの故郷でもあり、この物語は地元で非常に重要視されています。さらに、石林にはアシマが変化したとされる石も存在し、地域の伝承を感じられる場所でもあります。

石林はその自然美だけでなく、文化的意義も持ち合わせた魅力的な観光地です。訪れる人々は、神秘的な石灰岩の景観と共に、そこに息づく文化に触れることができます。

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