石田郡

石田郡（いしだぐん）

石田郡は、かつて長崎県（壱岐国）に存在した郡です。1878年（明治11年）に郡区町村編制法の施行により行政区画として発足しましたが、1896年（明治29年）に郡制の施行に伴い壱岐郡へ統合され、その歴史を閉じました。

郡域

石田郡は、1878年の行政区画発足時、現在の壱岐市の一部に相当する地域を管轄していました。具体的には、現在の壱岐市のうち、郷ノ浦町の各町、および石田町の一部（湯岳射手吉触、湯岳興触を除く）を除く石田町の各町が含まれていました。

歴史

古代

石田郡は、古代においては壱岐国の国府が置かれた場所とされています。このことは、古代における壱岐の中心地であったことを示唆しています。

式内社

『延喜式』神名帳には、石田郡内に鎮座する式内社が記されています。これにより、この地域が古くから信仰の対象であったことが伺えます。

近世以降の沿革

明治初年:
石田郡全域は肥前平戸藩の領地でした。「旧高旧領取調帳」によると、当時、郡内には10の村が存在していました。

明治4年:
7月14日（1871年8月29日）：廃藩置県により、平戸県が管轄することになりました。
11月14日（1871年12月25日）：第一次府県統合により、長崎県の管轄となりました。

明治11年（1878年）:
10月28日：郡区町村編制法の長崎県での施行に伴い、行政区画としての石田郡が正式に発足しました。郡役所である「壱岐石田郡役所」が武生水村に設置され、壱岐郡とともに管轄する形となりました。

明治22年（1889年）:
4月1日：町村制の施行により、以下の7つの村が発足しました。
武生水村
渡良村
柳田村（物部村、半城村が合併）
沼津村（長峰村、黒崎村が合併）
石田村（石田村、池田村、筒城村が合併）
志原村
初山村
これらの村は、すべて現在の壱岐市に属しています。

明治29年（1896年）:
4月1日：郡制の施行により、「壱岐石田郡役所」の管轄区域をもって、新たに壱岐郡が発足しました。これに伴い、石田郡は廃止され、その歴史に幕を閉じました。

行政

石田郡は、発足から廃止まで壱岐郡と共同で「壱岐石田郡役所」によって行政が運営されていました。郡長は壱岐郡長が兼務していました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 42 長崎県』角川書店、1987年6月1日。ISBN 4040014200。
旧高旧領取調帳データベース
法律第二十號 「長崎縣下郡廢置」 官報. 1896年3月28日（国立国会図書館デジタルコレクション）

関連文献

長崎県壱岐石田郡 編『長崎県壱岐石田郡村要覧』 1894年（国立国会図書館デジタルコレクション）

関連項目

* 消滅した郡の一覧

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